第25話 精霊の加護、そして扉は開かれる
【精霊洞窟】
その頃、精霊洞窟には先に討伐を終えたエイトが来ていた。
「まだ強い波動、リディウスさんとは違う波動オーラがある。…まさか、リディウスさんが負けた?」
その時,近くで透き通ったオーラと見慣れたオーラが感じられた。
「リディウスさんのオーラ!リディウスさん!」
エイトがそのオーラに近づくと、そこには倒れたリディウスと女の子が2人たっていた。
「そこの精霊!誰だ!」
「貴方こそ誰なんだな。」
「俺はエイト、その男の仲間だ。」
「私はイオナ・ウンディーネ。水の精霊です。」
「私はスヤ・ノーミード、地の精霊だな。」
「私達は彼を治療していました。」
「治療?」
「こいつはフードを被った男に串刺しにされたんだな。死にかけだったんだな。」
「フード……悪栄教か。」
「黄色の線が入っていました。実力は凄まじかったです。」
「黄色…あの時の男。」
「この人は呪いを受けてるんだな。イオナが緩和してるが、いつか死ぬのだな。」
主が受けた呪いと同じ……術者を殺さないといけない。
「すまない、俺はこれをかけた男を倒しにいく。」
「私も行くんだな。私は【加護】【守護】【制限】が使えるんだな。助けれるんだな。」
「水の精霊はどうする?」
「イオナです……私はここに残ります。スヤさん、守護をお願いできますか?」
「勿論なんだな!【守護】」
イオナの周りに結界が作られた。
「いくんだな!」
そうして、スヤと俺はシャルオスを倒しに向かった。
向かっている途中に聞いたが、イオナは旅をしていたらしく、その途中で水の精霊の宝石からの加護が消え、困っていたところをスヤに助けてもらったらしい。
地の精霊の宝石の加護でも源となる精霊神の力を感じ取れる為、生き延びれたらしい。
イオナは【治療】【加護】【妨害】の能力者、スヤの【守護】が有れば精霊の力で相手を撃退可能なんだそうだ。
そして、俺たちはシャルオスを見つけた。
「一気に決めるぞ。スヤ、加護を頼む。」
「任せるんだな!《加護・全特性上昇の加護》《制限・行動不可能の制限》。行動も不可能にしておいたんだな。」
「ナイスだ。《聖剣・超破壊一撃光線》」
エイトの聖剣から光線が放たれた。
「奇襲、行動制限、用意周到だーーな。【魔司能力・液化】」
シャルオスの地面が緩んだ。
「地面を液体にして避ける。確かに強いな。スヤ!能力や契約の制限を頼む!」
「任せるんだな。《制限・完全なる包囲》。OKだな!」
「おいおい物騒だーーな。」
「《聖剣・超破壊一撃一閃》」
エイトはシャルオスを切った。…と思っていた。
「【悪魔契約解放】。危なかったんだーーな。」
「何故…契約が使えて…。」
「悪魔の契約を強制的に切ったんだ。それは強制契約されるだろうーーな。能力は使えんが、基礎ステータスは俺の方がうえだーーな。」
俺ではコイツに勝てないのか。
死ぬ、そう覚悟した時、シャルオスが吹き飛んだ。
「間に合ったみたいね。」
「天花…さん……。」
「全速力で来て良かったわ。状況は理解してる。一気に決めるわ。」
天花は光弾をシャルオスに当て、貫いた。
「終了。案外弱かったわね。まぁ、私は悪栄教に最も適正のある人、私の能力【再生不可】はあなた達には致命傷だからね。」
そうして、強敵であったシャルオスは一瞬で死んだのだった。
だがそこで問題が起きた。
「宝石がない?どういうこと?」
「…分身。まだ一人首謀者がいるなら、【精霊神城】を開けるつもりなら、まだいるはず。」
「この方達は精霊神城を開けるつもりなのですか?」
「そうよ。」
その質問をしたイオナはそう告げた。
「精霊神城を開くには全ての宝石を精霊神城に持っていく必要があります。加護が弱まっている。既にこの場所に宝石はありません。」
「「え!?」」
「早く行った方がいいですよ。精霊神様が狙いなら、とんでもないことが起こる。」
エイトと天花が外に出た時、空には巨大な魔法陣が浮かんでいた。
「何……これ……。」
「精霊神の加護、精霊神城が開かれた。早くしないと、自然が消滅する。」
「急ぎましょう。奴らに追い付かないと。」
【精霊神城】
その大きな城の前に男が立っていた。
「遂に我が計画が達成される!宝石は揃った!あとはアイツを殺せば、この世界は滅ぶだろう。」
その男ーー悪栄教司教、リアード・ナベリウスは城の門を開き、中に入っていった。
「後少しでこの日は伝説になる、【自然が消えた日】、そして【悪魔様復活の前夜日】として。」
to be continued
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次回予告
第26話「防衛軍・神崎天花vs闇蟲No.6・蜈蚣」
舞台は精霊神城へ。
防衛軍隊長、世界No.3と呼ばれる神崎天花と悪栄教内部組織・闇蟲No.6の蜈蚣が戦う。
最高峰の戦闘をお見逃しなく!
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〜解説〜
・闇蟲とは…
悪栄教の司教の内、暗殺に特化した十名のこと。地位は関係なく、役人クラスであり最弱のNo.10でも王クラスを殺すことが可能である。
悪栄教の地位は強さではなく、崇拝する悪魔によって決められたものであるが、闇蟲は完全実力主である。
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