ハーレム・スクワッド 美少女たちを無双チートな自分専用武装に変化させて装備するスキルでハーレムなダンジョン攻略特殊部隊を作りあげて、王様に成り上がります!
第1話 お引越し!今日からここが王様の後宮です!
シーズンⅡ 王様と後宮の騎士たち チートでハーレムな特殊部隊を結成し、ダンジョンを攻略せよ!
第1話 お引越し!今日からここが王様の後宮です!
久方ぶりの休日。珍しくバイトもなかったため、俺は千晶と一緒に寮の自室でFPSの対戦を楽しんでいた。
「銃剣突撃はロマンじゃい!おりゃーーーぎゃーーーーー!クレイモア?!」
千晶のキャラクターは銃剣突撃したが、足元に仕掛けられていた地雷に吹っ飛ばされて死んだ。
『甘いよ千晶さん!銃剣なんて今や時代遅れ!これからの時代は地雷のぎゃーーーーー!スナイプされたぁ!お兄ちゃん!男らしくないよ!出てこいよ!出てきて白兵戦だ!』
そして俺は礼无のキャラクターをビルの上から狙撃して射殺した。
「地雷は国際条約違反だからね。まあ批准してない国も多いけど」
通信で妹の
『あーあー!お兄ちゃんってゲームも完璧なの?!ここはかわいい妹を接待するネタプレイに走ってみるとかさぁ!』
「いやだよ。男は絶対に女の子に負けられないんだ。負けたら死ぬのよ。それが男って奴さ」
『うわぁ強がり系水臭男子しぐさだ。誰かこの人をオギャらさせてくれる女の子いませんかぁ!』
バブみとか俺には遠い世界だなって思う。絶対女の子って引くと思うんだけど。そんな時だ。部屋のドアをノックする音が聞こえた。ゲームを中断するのは惜しかったので、ドアに向かってこう言った。
「はいはいー。開いてますよ!入ってきてくださいー」
「失礼します」
「え…なんで…?」
部屋に入ってきたのは、なんとラエーニャだった。珍客に思わずコントローラーを落としてしまう。
「おいおいおい!なんでここにあんたがいるんだよ!ここは男子寮だぞ!帰れよこのやろう!」
千晶が立ち上がってラエーニャを睨む。美作の事件以降千晶はラエーニャに対して敵意を隠さない。ことの顛末は聞いているし、ラエーニャは美作を煽ってダンジョンのスタンピードを引き起こして無数の犠牲者を出した。嫌われても仕方がないだろう。
「あなたに用はありません月見里候補生。陛…新さん。本日付であなたにはこの寮から出て行ってもらいます」
「はっ?寮から追放?え?何言ってるの?士官学校の生徒はここに住む義務があるはずじゃ?」
「特殊部隊設立に伴い、ここに住むことは機密を維持できなくなる可能性があることから、新しい住まいに引っ越してもらいます。ご安心ください。学校からもそう遠くはない所ですから。拒否はできません。これは国連軍の正式な辞令となります」
ラエーニャは辞令書を取りだして、俺に手渡してきた。そこには士官学校の校長とお台場にある国連軍師団の師団長のサインもちゃんとあった。どうせラエーニャが書かせたんだろうけど、俺は軍人だからこの命令には逆らえない。
「なんだよそれ!?横暴じゃないか!あんたはアラタに何をさせる気なんだよ!?」
千晶はラエーニャに食って掛かるが、俺は彼の肩に手を置いて止める。
「千晶。庇ってくれるのは嬉しい。だけど仕方がない。ありがとう」
「そんな…くそ…!」
「では荷物をすぐにまとめてください。外で待ってますからね」
ラエーニャは部屋からさっと出て行った。
「アラタ…あの女いったいなんなんだ?この間の事件で俺と鶴来先輩はあの人の犯罪を告発したんだ。でも逆に日本国連軍の参謀本部と内閣府から俺たちに警告が来たんだよ。オリヴェイラ准将に深入りするなってな。俺には危険手当の名目で大金が振り込まれて、鶴来先輩は自衛隊から年金付きの勲章が与えられた。露骨な買収だよ。断ったら命はないって匂わしてきた。あの女の仕業に決まってる」
「すまない。だけど今は言えない…ごめんな」
千晶とリリハ先輩に露骨に迷惑をかけてることに心が痛む。
「そっか…。まあ今はいいさ。だけど俺たちは戦友だ。いつでも話してくれよ」
俺の背中を千晶は軽くポンと叩いた。彼はニカっと頼りがいのある笑みを浮かべている。
「ああ。その時は頼むよ」
その笑みを見た時、不思議と嬉しかった。おかしな力に目覚めても、まだ俺はこの世界との繋がりがあるのだ。大切にしていきたい。
荷物をスーツケースにまとめて外に出ると一台のスポーツカーがあった。超高級品の外車。今どきの環境に優しい電気自動者ではなく、極限まで性能を上げたガソリン車。
「どうぞ乗ってください」
運転席からラエーニャが顔を出す。サングラスに指抜きの手袋をしていた。そことなく不安を感じながらも、俺は後ろの席に乗った。
「やっほーアラタ!」
「祢々もいるってことは…」
「うん。そういうことみたいだね。あはは」
祢々はどことなく頬を赤く染めていた。それでもう察してしまった。ラエーニャはこの子と同居させようとしているってことを。ミラーに写るラエーニャの口元にはニヤリとした笑みが浮いていた。
「では行きますよ!」
ラエーニャはエンジンを吹かしてロケットスタートをかます。明らかに公道で出していい速度ではないような気がした。車は品川を離れて神奈川の方へと向かっていった。すぐに横浜に辿り着き、そこから郊外に少し向かった。そして大きな豪邸の車庫に車を入れた。
「うわ…すご!ここってもしかしてラエーニャの家?!」
祢々は豪邸の外観に圧倒されていた。今どき流行りのコンクリートとガラスのモダンなデザイン。きっと名のある建築家が設計したに違いない美しい邸宅だ。三階建てで大きな庭がある。庭には小さいがプールまであった。
「いいえ違います。私の家ではありません。ここが今日からあなた方が住む家です。陛下の住まいとしては手狭なのは申し訳ないのですが、今用意できる中ではここが一番いいところなので仮住まいとしてしばらくはご辛抱ください」
手狭とか謙遜してるけど、俺たちが住むにはどう考えても広すぎる家だ。
「いやいやいや。めちゃめちゃ豪邸じゃん!どうやって手にいれたの?!軍の裏金とかで買ったのか?!」
「まさか。私はテクノクラートです。軍の公金には手をつけません。この家はこの間、あの石鹸屋さんに因縁を吹っ掛けてきたヤクザたちの組長さんの家です。陛下の手を煩わせた罰として接収しました」
「ヤクザ相手にカツアゲ…?ほんと怖いモノ知らずだね…アハハ…」
ラエーニャの所業に引き笑いしか出ない。そして俺たちは中へ入る。内装は落ち着いていて上品だった。当然凄く広い。凄く広いリビングとキッチンルーム。さらには沢山の個室、書斎、中庭。
「ねぇねぇ!アラタ!やばい!お風呂が凄く広い!それに天窓で空が見えるし、脱衣所との境がガラス張りですごくオシャレ!きゃー!」
祢々ちゃんはすごく興奮していた。内装がオシャレなので歩いているだけでも楽しいのだろう。水の張ってない浴槽の中に学生服のままで入って入浴ごっこしてる。
「部屋は沢山余ってますし、家具もそのままなので生活には困らないと思います。それでも足りないものはあると思うので、こちらで買ってください」
俺はプラチナ色したクレジットカードを渡される。これネットで見たことある。一軒家とかでも買えるカードだ。ドン引きである。でもここでごねたらめんどくさそうなので、黙って受け取っておく。
「こんなところで生活できるなんて!これから楽しい三人生活ができそうだね!ウフフ。楽しみだなぁ」
祢々はこれからの生活に思いを馳せているのだろう。幸せそうな笑みを浮かべている。
「三人?祢々。ここに住むのは陛下とあなただけです。私は住みませんよ」
「え…ラエーニャは一緒じゃないの?」
「はい。私は仕事の都合があるのでお台場の基地の部屋から離れる気はありません」
「そんなぁ…!」
ラエーニャのそっけない言葉に祢々は悲しそうに肩を落とした。
「あー祢々。一緒にはすみませんが、遊びには来るので」
流石に祢々の落ち込む姿にラエーニャも申し訳なく思ったのか、なんかフォローを入れた。
「絶対泊まりに来てよ。絶対だよ!指きりして!」
祢々は小指をラエーニャの前に突き出す。ラエーニャは最初その指をキョトンとした様子で見ていたが、祢々と指を絡めて。
「わかりました。約束します」
「うん。楽しみにしてる!」
それで満足したのだろう。祢々は上機嫌に笑った。ラエーニャはどことなく落ち着きなくはにかんでいた。
「では私はこれで失礼します」
ラエーニャは恥ずかしさを隠すような感じでそそくさと出て行ってしまった。
「うふふ。ねぇアラタ。さっきのラエーニャってきっと恥ずかしがってたよね?」
「そうだね。可愛い所があってよかったね」
「うん!ラエーニャはかわいい!さて。お引越しちゃっちゃとやろう!お掃除に足りないモノのリストアップ。生活導線の調整に…それからそれから…」
引っ越し作業は祢々の指導の下でスムーズに進んだ。祢々の家事の技能はすごく高い。夜まで引っ越しは終わり、夕食に引っ越しそばを二人で食べた。祢々が上げたてんぷらは専門店の物並みに美味かった。そして夕食後、俺たちはソファーでお喋りを楽しんでいた。
「ねぇアラタ。特殊部隊のことなんだけど。あたしはもちろんメンバーに入れてくれるよね?」
「実は少し悩んだんだ」
「悩んだ?何を?」
「これから祢々と一緒に戦うことを。果たしてそれは正しいことなのかって」
「あたしはアラタと一緒に戦いたいよ」
「だけどラエーニャは俺の家来だったんだ。あいつは俺の事だけを考えて君を拾って育てたんだ。君を俺の道具にするために…」
ソファーに深く座って溜息を吐く。祢々と出会えたこと、仲良くなったことは嬉しくて楽しいことだった。だけどそこにはラエーニャの陰謀があった。俺はそのことに後ろめたさを覚えるのだ。
「君と普通に普通に出会っていたら」
「ううん。普通じゃなくて良かったよ。あたしはそう思うの」
祢々は俺のことを優し気に見詰めていた。彼女の赤い瞳には暖かい光が宿っているように見えた。
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