ハーレム・スクワッド 美少女たちを無双チートな自分専用武装に変化させて装備するスキルでハーレムなダンジョン攻略特殊部隊を作りあげて、王様に成り上がります!
第37話 当然ボスってのは第二形態で変身するものです!
第37話 当然ボスってのは第二形態で変身するものです!
湖の上に立っていた俺は、岸にいる祢々の方へ歩いた。岸に着くとすぐに祢々が俺に抱き着いてきた。
「良かった!アラタ!アラタぁ!よかったよぅ生きてて嬉しい。アラタぁ。ううぅ」
「ごめんね心配かけて。祢々が守ってくれたから何とかなったよ。ありがとう」
俺は祢々の頭を撫でる。この子がいなければ俺は今頃死んでいたはずだ。感謝してもしきれない。
「ねぇアラタ。さっきあれっていったいなんなの?王様って…」
「ステータスシステムは俺の異能そのものだ。でも俺も全部思い出せてないんだ。あとで全部知っているだろう人に聞きに行こう。俺も知りたいことが沢山あるからね」
この世界に存在するステータスシステムは俺の異能そのものから造られたものだ。俺はこの世界の人々に戦う力を授けた。故に王様。だけど思い出したのはそれだけだ。自分が何者なのかは未だによくわからない。だけどうっすらだけど彼女たちと深い関係にあったことだけはわかるんだ。
「知ってる人ってラエーニャの事だね。ラエーニャはいったい何者なの?」
「それは…」
「卑怯者め!お前の方がずるじゃないか!ステータスが低いかったのは俺たちを騙すためだったんだな!!楽しかったか!?ステータスシステムで戦う俺たちを見てお前は嘲笑ってたんだな!」
鎧の重さで動けないままの美作が俺に向かって怒鳴り散らしていた。騙していたと言われても、俺だってさっきまで忘れていたんだから、責められるのは癪に障る。
「ちょっと黙っててよ!!お前はもうアラタに負けたんだよ!!ていうか美作はスキル無しのアラタにだって勝ててなかったでしょ!!もういい加減現実を見なさいよ!!自分勝手な考えでこの人を悪く言うのはやめて!」
流石に見かねたのか祢々が俺の代わりになるように怒ってくれた。
「祢々!そいつはどう考えてもまともじゃない!みんなを!いいやこの世界の全員を騙してるんだぞ!ステータスシステムそのものを操れるってことはこの世界のすべての人間を支配してるってことだ!祢々だって俺みたいにいつ身動きが封じられるかわかったもんじゃない!祢々!そんな奴に抱き着くな!そいつはこの世界で一番の悪い奴だ!」
「馬鹿馬鹿しいよ!さっきまでこの世界を支配しようとしてたお前がそれを言う!?お前は本当に自分のことばかりで目が曇ってる!何も見てないし!何もわかってない!アラタは戦友を助けた!あたしだって助られた!そして悪人のお前を倒した!そういう人がこの世界を支配してるって言うなら、その方がずっといいよ!」
「祢々!くそぉ!丁嵐ぃ!祢々を洗脳してるんだな!そういうスキルだって操作できるんだろう?!くそ!」
開いた口が塞がらない。もう何を言っても無駄なようだ。俺と祢々は互いに顔を見合わせて溜息を吐く。そして祢々は侮蔑的で冷たい目で美作を見下ろして言い放った。
「情けない男。ほんと気持ち悪い」
それがトドメになったようだ。美作は酷くショックを受けていた。顔は絶望に染まっていた。
「祢々!俺はお前を心配して…」
「祢々って呼ぶのやめてよ。お前なんかにあたしの名前を呼んで欲しくない。お前なんか大嫌い」
「ああ…うああああ!ああああああああああああ!!」
美作は号泣し始める。祢々は完膚なきまでに美作をフった。今までは同じ学校だったし祢々なりにも遠慮はあったのだろう。美作の行動原理はひたすらに祢々を手に入れることだった。男としてはその気持ちが理解できないわけではないが、それで傷ついていた祢々を知っている身としてはやっと祢々がこうして美作にやり返せたのを見ると溜飲が下がるように思えた。
「これで多少はケリがついたよね。あたしこいつの事が本当に嫌いだった。でも何もできない自分が悔しかった。こいつのせいで嫌な目に合った女の子たちの分の仇も取れたかな?」
「うん。そうだね。出来たと思うよ。あとは軍法会議にまかせよう」
こいつがステータスシステムと俺の関係を話したところで誰も信じやしないだろう。放っておいても構いやしない。
「ゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさないゆるさない」
それはまるで地獄のそこから響いてくるような暗く冷たい声だった。美作は俺を睨みながらその呪詛を繰り返し続けていた。だけどその雰囲気は尋常ではないし、何かおかしな気配を感じた。美作の手に何か光る球が握られているのが見えた。それは禍々しい赤い光を放ち始めていた。
「何…この気持ち悪い感じ…。ぐぅ…胸が痛い…!」
祢々の瞳が赤く輝いていた。何かの力に反応しているかのように見えた。
「何?なんなの?!この光景はいったい何?!」
頭を抱えて祢々は苦しんでいる。俺は彼女を抱き寄せて声をかける。
「祢々!大丈夫か?!祢々!しっかりしろ!」
「ねぇ!?なんで?!なんで断頭台なの?!誰を?!誰をそこにかける気なの?!ああ?!いやぁああああ!!」
赤く光る彼女の瞳は虚ろに揺れている。きっと何か嫌なものを見てるのだろう。
「プレジデント・プリンセスなんて!駄目なのに…あ…れ…あたしなにを見てたの?」
祢々の視線がしっかりしたものに戻った。
「平気かい?」
「うん。あたしは大丈夫。でも見て。それより美作がヤバそうだよ」
そして美作の周りに闇が現れて、その体を包み始める。
(王を殺し、人民に主権を分け与えよ!!革命は王の命をもって果たされる!!力なき弱き者よ!汝に革命の旗を振る先兵の栄誉を授けよう!そして普く全ての人民に真の自由を!!)
何処からか声が聞こえた。それは呪いに満ちているように思えた。間違いなく美作を何かの目的に沿って唆そうとしている。
「ああ。俺は王を殺す!そして自由を手に入れる!!我は革命の先兵!!リパブリックよ!俺に力を!!うあああああああああああああああああああ!!!」
美作の体は闇に飲み込まれ、大きく膨らんでいく。そしてそれは巨大なる龍に姿を変えた。
「丁嵐!死ネエエエエエエ!!ガアアアアアアア!!」
龍の口から眩しいまるでビームのような光が放たれる。俺は祢々を抱いてそれを横っ飛びで避ける。その光は俺たちの後ろの森を突き抜けて遥か彼方まで焼き払った。そして40階の外縁の壁に当たり、それさえも貫いた。壁が壊れて外の青空が見えた。
「お姫様抱っこ…ちょっと恥ずかしいよ…」
「ごめん。今は我慢して」
祢々は俺の首にぎゅっと手を回して掴まった。
「うん!我慢する!えへへ」
そして龍はさらに続けて俺に向かってブレスビームを放ってくる。俺はちょこまかと走り回って避けた。
「アラタ!あれって何かのスキル?!ステータスシステム弄ればなんとかなるの?!」
「いやあれはステータスシステムの力じゃない。多分ダンジョンの力だ。俺じゃあの力に干渉できない」
「どうしよう?逃げる?」
「いや駄目だ。あれきっとどこまでも追ってくる。だからここで倒さないとやばい。一応あれを倒すための方法はある。だけど準備に少し時間がかかる。だから時間を稼いでもらおうかな」
ステータスシステム以外にも俺には奥の手があることをちゃんと思い出していた。だけどそれには時間がかかるのだ。
「わかった。じゃああたしが囮に」
「いや。時間稼ぎにはもっと適任者がいる。それに祢々には別の役割があるからね」
「適任者?誰?」
「あいつのことは祢々も良く知ってるよ」
祢々が目を丸くし首を傾げていたが、すぐにはっとした顔をする。
「死ネ!死ネ!祢々ヲ放シテ死ネェエエエエエ!!ガアアアアアアアアアアアア!」
龍は俺たちの真後ろを飛んでつけてきた。そして大きく口を開けてブレスを放とうとする。避けてもいいけど、あの陰謀大好きな癖にどこか目立ちたがりなあの女に見せ場を作ってやろうと思う。
「我が臣下よ!疾く馳せ参じよ!汝が王の勅令である!!」
そして俺たちに向かってブレスビームが放たれた。当たれば死は免れない。だがそのビームは俺たちの真後ろで突然四方八方に散り散りに飛び散ってかき消されたのだ。俺は足を止めて振り向く。そこには黒いドレスを着た一人の女がいた。そしてブレスが放たれたことで発生した風で女が被っていた黒いベールが空へ舞い上がり、オレンジ色の髪がふわっと広がった。彼女が展開したシールドがビームをかき消したのだ。
「嘘…そんな…どうして…」
祢々はその女の顔を見てひどく驚いていた。そして彼女は俺に向かって振り向いて、膝をつき首を垂れて臣下の礼を取った。
「陛下。この日が来ることをずっと待っておりました。王国の復活を心よりお祝い申し上げます。陛下。サブジェクトランク第6位・
ラエーニャはうっとりと頬を赤く染めて俺の事を見詰めている。
「さっそくで悪いんだけど。あの龍相手に時間稼いでくれない?」
「畏まりました。陛下のお望みのままに」
「ちょっと待って!ラエーニャ!どういうことなの!ラエーニャ!なんで!どうしてここにいるの!?」
祢々は俺の腕から降りて、ラエーニャに詰め寄ろうとするが、すぐに手で制されてしまう。
「祢々。質問は後にしてください。今は陛下の勅命を果たすことが最優先です。では失礼!」
ラエーニャはそれだけ言って俺たちの目の前からふっと姿を消してしまった。そして龍の目の前にいきなり姿を現して、その腹を思い切り殴る。
「ギャアアアアアアアアアア!!」
龍は後ろに吹っ飛ばされてそのまま湖まで飛ばされた。そしてラエーニャはまたその場から姿を消して今度は湖の上に姿を現す。そして念動力系スキルを発動して湖に巨大な渦を作り出して龍をそこに沈めてしまった。
「え?なにあれ?!ラエーニャつよすぎ!?」
祢々は両手で口を押えて驚愕している。
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