ハーレム・スクワッド 美少女たちを無双チートな自分専用武装に変化させて装備するスキルでハーレムなダンジョン攻略特殊部隊を作りあげて、王様に成り上がります!
第4話 ステータスシステムの使い方を指導します!
第4話 ステータスシステムの使い方を指導します!
士官学校の最寄り駅から地下鉄で一駅行くと、お台場ダンジョンの前に辿り着く。ダンジョンは外から見ると黒い半球状のドームのようになっている。まさしく異空間とでも言った様相を示している。ダンジョンの近くには自衛隊と国連軍の共同基地が存在し、いざという時の為に備えている。そしてダンジョン自体は鉄条網で囲われていて、なかなかに物々しい雰囲気にある。その中にたった一つだけゲートが設けられていて、そこを潜るとすぐ目の前にはダンジョン管理センターのビルが存在している。ビルの中のエントランスは民間の冒険者パーティーや国連軍や自衛隊のダンジョン攻略部隊やら、俺たちみたいな士官候補生やあるいは冒険者専門学校の学生さんやらで賑わっている。俺と斯吹は士官学校が借り受けている学生小隊用のミーティングスペースの一つを借り上げて、そこでダンジョン突入前のブリーフィングを行うことにした。
「というわけで、お互いの能力を確認するためにステータスを見せ合おうか」
「ステータス…?あんなもの見てどうするの?意味ある?」
「めちゃめちゃあるんだけど。スタータスシステムにはほぼ正確な戦闘能力や所有しているスキルなんかが記されているんだから、参考にしないといけない」
「そうなの?へぇー」
斯吹はどうにも反応が鈍い。ステータスの開示を拒む者は当然多い。なにせ自分の能力が丸裸になるからだ。もっとも他人へ開示するときには自分の情報を隠蔽することも機能的には可能なので、見せ合ってもあまり意味がない場合はある。だけど斯吹の反応はそういうのとは違うように見える。ステータスシステムそのものに興味がないような感じだ。
「斯吹さんはもしかしてステータスシステムをあんまり使ったことないの?」
「うん。士官学校に入った時にアカウントを作った時以来見てないね。意味ないし。スキルとかいらないし」
ステータスシステムは最初に『ステータスオープン』とコールした時に表示される『利用規約』にサインをしてアカウントを作らないと使用できない。
「まじかよ…ちょっと待って。今レベルいくつ?」
「…?さあ?見てみる?ステータスオープン」
俺の目の前に斯吹のステータスが開かれる。俺はそれを見させてもらうことにした。
斯吹 祢々
SHIBUKI Nene
Subject RANK 87th
LV 16
SP 1600/1600
ステータス(強化前)
攻撃力 70
防御力 71
敏捷力 73
感応力 81
(省略)
保有異能リスト
『????????』 ランク S (備考:システム評価基準外と判断。名称判別不可能。出力より暫定でランクを付与。詳細は『シャドーキャビネット』へ直接問い合わせてください)
保有技術スキル(非異能系)
『床上手』 ランク A+ (備考:性交渉未経験につき暫定での予測判断での付与。性交渉経験後、正式に判定予定)
『お料理上手』 ランク A+
『家事全般』 ランク B+
『裁縫』 ランク A-
総合ランク AA+
等々様々な数値が軒並み高く表示されていた。というかスキルについては見ちゃいけないものを見てしまった気がする。スルーしよう。ステータスプレートの数値はすべて偏差値として表示されている。この値は運営さんが主張すると所によるとステータスシステムのアカウントを持つもののすべてのデータから算出される偏差値で表せられるそうだ。つまり目の前の斯吹は強化前の値ですでに出鱈目に高いスペックを誇っているということだ。だが問題はそれではない。まず一つ。
「斯吹さんSP使ってないの?」
「ん?なにそれ?」
「マジかよ…!?信じらんねぇ!?今どきステータスシステムを全く使わない人間がいるなんて!?」
SPとはレベルが上がるたびに100ポイントずつ付与されるステータス上の数字の一つだ。この数値が大きな意味を持つ。ステータスシステムのレベルはモンスターを退治したり、あるいは対人戦を行うたびに手に入る経験値を規定以上貯めると上がる。レベルが上がると使用可能なスキルが新しくオープンになっていく。とは言えレベルを上げても俺たちの体が強くなるわけじゃない。
「SPをステータスの例えば攻撃力に振り分けると、それが上昇するんだよ。素のステータスは個々人の素質やトレーニングで決まるけど、それには限界がある。SPを付与して強化することで、俺たちは自分自身を大きく強化できるんだ。だから見てみなよ。君の強化後のステータスをね」
ステータス(強化後)
攻撃力 61
防御力 57
敏捷力 53
感応力 70
(省略)
総合ランク A-
それでも総合ランクがAのマイナスなのはマジですごいと思う。だけど偏差値制度を導入している以上、強化しなかったら下がるのは当然なのだ。
「へえそうなんだぁ。すごいねぇ…」
「むしろどうしてそんなにステータスに興味ないの?」
「だってステータスシステムって無料でしょ?」
「まあ何処の誰かはわからないけど、奇特なことに全人類に無料でこのシステムを提供してるね」
このステータスシステムはこの世界にダンジョンが現れて、当時の人類がそれこそモンスターの脅威に負けて滅び去りそうになったときに、突然『シャドーキャビネット』なる謎の存在が全人類に向けて公開したシステムなのだ。そもそもどうやって全人類にこんなすごいシステムを供給できるのか、どうやって創り上げたのか、それもまったくわかっていない。ただ今でも動画サイトにはこの『シャドーキャビネット』なる組織の指導者『プライムミニスター』という人物の声明が残されている。その動画ではこう語られている。
『親愛なる
などというよくわからん謎の声明が発表されている。動画には誰も座っていない玉座と、その上にポツンと乗っかる王冠だけが映っている。意味不明です。だけどステータスシステムの力は本物のなので、この動画の主張もまるっきり嘘ではないのかも知れない。
「無料のものほど危ないものはないよね。どうせあれでしょ?エッチな動画サイトとかスマホのゲームみたいにあとで課金するんでしょ?違うの?」
例えが酷いが、その気持ちはよくわかる。
「今のところステータスシステムに課金要素は見つかってないね」
「そうなの?運営があたしだったら課金するけどなぁ。みんないつもステータス見てるよね。広告とかで絶対に儲かってそう」
もちろんステータスシステムには広告は張ってない。
「まあ言われてみるとそうだよね。確かに君が言う通り、ステータスシステムは胡散臭いことこの上ない。だけど使えるものは使っておいた方がいい。取り合えずSP使って強化してみなよ」
「でもせっかく貯まっちゃってるのに使うの勿体なくない?一ポイント一円ならこれ1600円でしょ?すごくない?スーパーなら結構使えるよ?」
「安心していいよ。ステータスやスキルへのポイント付与による強化は幾らでもやり直しができるんだよ。あくまでポイントの割り振り方を決めるだけだからね。例えば攻撃力に全部使って、やっぱり違うなって思ったら、キャンセルかけてまんべんなく他のところにポイントを割り振ったりもできる。好きに試すとよいよ」
「じゃあ全部均等にしておくね」
斯吹は俺の説明を聞いて納得したようで、ステータスを弄り始める。SPを全部均等に割り振った。
ステータス(強化後)
攻撃力 67
防御力 68
敏捷力 65
感応力 77
総合ランク AA-
めっちゃ伸びた。そして強化後の総合ランクがAAになった。ベテランの兵士だってここまで伸びねぇよってくらいに高い。普通に滅多強いんだけど。
「ねぇねぇ。あんたのはどうなってるの?見せてよ」
「うん。いいよ。ステータスオープン」
そして俺のステータスを開示する。
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