第3話後輩をみた母親は相変わらずな反応

花見を撒けず、自宅前に到着して、玄関扉の鍵穴に鍵を差し込んで回し、玄関扉を開けた。

「ただいま」

「お邪魔しまぁ~すぅっ!」

客用のスリッパを彼女に用意して、履いてもらい、リビングに案内した。

リビングを見渡し、隅に置かれた本棚に近付いた彼女が感想を漏らす。

「広いし、漫画が好きなんですね。麻視音先輩の匂いがぁぁ」

「変な声出さないでよ、変態みたいな声はっ!」

「失礼じゃないですかぁ、変態呼ばわりはっ!それならキモいって言われた方がまだマシですっ!」

彼女が上下に手をブンブンと振りながら抗議してきた。

どっちもどっちじゃないか、言われて傷付く単語のやつ。

「ごっ、ごめん......何もないけど、どうすんの?」

「えっ!麻視音先輩の部屋であ~んなことやぁ~こ~んなことをするに決まってるじゃないですかぁ~!」

「しっ、ししぃっしないよっ!そんなことはっ!堂々と宣言しないよ、そんなことを普通はっ!欲求不満だったら他をあたってよ、僕じゃなくてぇっ!」

「ぷふっ、ははっ!そんなマジで拒否らなくても。先輩が言ってたゲームで遊びたいんです、それなら良いでしょ?ねっ、先輩ぃ~!」

僕の反応に吹き出して笑いだして、ゲームの話題に変えてきた。


もう~疲れるぅぅよぉぉ~!


飲み物とスナック菓子を持ち、二階に上がり自室に彼女を招き入れた。


「あのっ、先輩。上って脱いでも良いですか?汗をかいて気持ち悪くて」

「気持ち悪いってことは分かるけどさすがに──」

返答を聞かず、彼女がブラウスのボタンを外して、近くに脱ぎ捨てた。

「良いって言ってないけど、何で脱いだの?」

「良いじゃないですかぁ~ちょっと楽だぁ~!」

こたえになってないけど、花見さん!

なんでこうも大胆なんだろうか?彼女は。

他の男子の前でも......って、いやいや考えるなっ僕っ!


テレビの電源をいれ、テレビゲーム機の起動を待つ間に彼女が他愛ない話題を振ってきた。


ゲームで遊んでいると、自室の扉が開いて、母親が声を掛けてきた。

「ああ~まあ、ケイちゃんが恋人を連れてきたなんてぇ~!モデルさんみたいに可愛い彼女さんねぇ~お父さんに言わないとぉ~」

「恋人じゃないからっ!勘違いしないでよ、母さん!」

「初めまして。せん、ごほっ、麻視音さんの恋人の花見ぃっ──」

「花見さんはややこしくしないでよぅぅっ!」


母親に彼女を会わせたくなかったのに......




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