灯篭咲く
新緑と快晴のコントラストが鮮烈すぎて目が離せない。
教室から眺む廊下の窓越しの情景。
生温い風を肌に感じて外を向いている。
外の世界は未だ無駄に輝かしいままで。
僕は未だ灰色の世界に居るままで。
去年の今日、何をしていたのか無性に気になった。君がいたあの日、僕が何を思い、何をしたのか。
僕はずっと想い出の中を彷徨っているのかもしれない。
そろそろ前を向かないとな。
そう思いながら昨日のことを考える。
いつかの昨日を憶う。
そんな僕はいつかどこかへ消えていくのだろう。
それでもいいと思うのか。
それがいいと思うのか。
僕にはよく分からないが。
いつかの僕はきっと答えを知っているはずだ。
灯篭咲くある初夏間近の夕映え。
君の後ろ姿が幻想の中に映った。
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