十五夜の翌日の月華に

月が綺麗だ、 と思った


それだけしか思わなかった


雲の隙間から照らす丸くて、クレーターまで見える月


十五夜から1晩たった今日の月


夜の空は藍色だった


インディゴブルーという表現はここからか


宵に光る月を眺めては言葉を考える


考えども考えども浮かばぬ言葉に苛立ちを感じ始めて、まぁいいか、と思う


月華に照らされた道を歩くこと


それがこんなにも良いとは思わなかった


まぁそんなもんか、とだけ思って今という時に寝そべってみる


そしてそのまま時が止まってしまえと思った

雨空に凪ぐその通りに


そうであって欲しいと何度願ったことか


変わらぬことを祈ることになんの意味も感じない


けれどそこに何かがあるような気がしてならない


不思議だなぁと思った





Nulli est homini perpetuum bonum.

誰しも永遠の幸せはない。

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