君を導くために私は今ここにいる

時の流れというのはときに残酷でそれでいて美しいと私は思う。


吹奏楽部で過ごした約3年間が一瞬のようでまだ時間があるような気さえしてくる。



白いカーテンが揺れる。

はためいた布の後ろには台風間近の雨。


風が雨の匂いを連れてくる。

輝いている今を噛み締めるようにその匂いを噛み締める。


何気ないスケールの音の羅列が頭の中にエンドロールのような何かを流す。

嫌になった日々も全て、何一つ無駄はなかったと今なら自信を持って言える


けれどまだやりたいことは何十個もあって、やり残したことだらけだ。


だから私はここに居たいと。


だから私は聞いていたいと。


だから私は何の未練も残さないように



吹き切りたいと。



ずっとそう思っている。



夏空に誓ったこの言葉を違えないように


鳥のように翔び、石のように硬い、そんな神の船を忠実に再現しようと思っている


まだ君は知らないだろうけど私は君に輝かしい未来を贈るために頑張ってるんだよ。


だから君はそのまま必死に頑張れ。足掻くしかないから。でもその先に今の私に追いつく時が絶対に来る。


だって君の未来が私なのだから。



銀色の何かが視界を通り過ぎた。君はそれをとるために手を必死で伸ばし続けていた。それが正解だったと気づく日に私は心からのおめでとうを贈ろう。

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