理想論演説、絵空事
生徒会選挙。
その演説をこれほど冷淡に見ている人などいるのだろうか?
と思うほど私は冷たい視線を候補者に向けている。
なぜなら、この候補者たちは理想論しか言わないからだ。
もっと真面目に現実にできそうな事を話せよ。
内申狙いくらいこっちだってわかるんだからな。
と、立候補していない癖に心のなかで野次をとばす。
あくまでも心のなかだ。
言葉にするほど私は馬鹿じゃないと自負している。
まぁ私の意見は要するにこういうことだ。
候補者の言うことなんざ所詮絵空事だ。理想論だ。
現実感の欠片もない。
「清き一票を」
その言葉が汚いとは思わないのか?
清きという言葉が、友達投票をちらつかせているようにしか私には見えない。
だって、全部が清い票であることを当然とするならばわざわざつける必要はないだろう?
私はひねくれ者だからそんな風なことしか思えない。
舌打ちがこぼれる。
この頃すっかり染み付いてしまった私の癖だ。
さっきよりも冷たい視線が目から放たれていた。
「早く終わらないかな」
そう思いつつ聞いた、とある日の生徒会候補の演説。
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