君とクラスメイトについて
第6話 呪縛
翌日、俺は朝から校舎裏に連れて行かれた。
俺を連れて行ったのは羽咲さんだ。
理由はわかっている。
「誰にも言わないよ。まず言う相手がいない」
「し、心配なんです!」
「どこが......」
「いろいろ!」
別にオタクだろうとなんだろうと俺には一切関係のない話だ。
それに羽咲さんが推しているグループを俺は残念ながら知らない。
「グループ名なんだっけ?えっと...」
「リライトライト!」
「それだ!」
「そのグループ、俺知らないし」
羽咲さんの顔が一変した。
「し、知らないんですか!」
「うん」
急に鼻息が荒くなり始めた羽咲さんに俺は警戒心剥き出しの目を向ける。
「これだから一般人は」
やれやれと言わんばかりとため息を吐く。
キャラ違くね?
「リライトライト!通称ライライは、平均年齢17,3と若い子ばかりが募った新生アイドルグループです!結成してまだ1年半ですが、Zappツアーを満員にしています!」
なんだ?Zapp?なんの名前だ?
てか、羽咲さんってマジのアイドルオタクなんだな。
「そんなに好きなら、共通の友達とか作りなよ」
「......無理です」
「なんで?」
「恥ずかしいから」
「は?」
羽咲さんって、もしかしていや、もしかしなくても面倒臭いのでは?
「わかったから、もういい?」
「......すいません」
「でも、なんでそのグループ見つけたの」
テレビで見ない限り知らないと俺は思っている。
まあ、オタクだったら簡単に情報が入ってくるんだろうけど。
「教えてくれた人がいたんです」
「へぇーじゃあ、その子と話せばいいじゃん」
「話せないから」
「どうして?」
羽咲さんは悲しそうな表情になり、俯きながら言った。
「死んでしまったんです」
俺は察してしまった。
もしかして、
「奏?」
羽咲さんは目を丸くして、頷く。
どうして、今になって奏という存在が俺の前に現れるのか、これは呪いなのか?
死を止めなかった俺を神が呪っているのかもな。
君が死に、僕が始まる。 かんてん @gorio55
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