第3話【迷宮と進化】
処女作です。誤字脱字報告、よろしかったら是非お願いします!
感想、評価、ブクマを付けてくださっている方々、本当にありがとうございます!!
*小説家になろうでも連載しています。https://ncode.syosetu.com/n7518gv/
*午後七時に更新(度々更新日を変更して申し訳ありません。一週間に1~3話投稿する予定でしたが、それも厳しいので、10日ずつ1話投稿しようと思います。最近仕事が忙しいため、更新日を減らさせていただきました。ある程度仕事が落ち着いたら、更新日を明確にし、投稿頻度も増やそうと考えています)
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そうして武技の練習兼二匹の育成のために出発して丸一日が経過した。この一日の間に倒した黒斬狼の数は約80匹と
しかも《種族》と《天職》のLvも既に8になっている。この変化した世界ではどうなのかは分からないが、ゲームではLv10みたいな節目では、かなり強化されていたので楽しみだ。
そして、その期待のLv10はすぐに到達するだろう。今日中は確実だと考えていい。
何故ならば、俺が『
もう一度言うが、この一日の間に俺たちは黒斬狼約80匹の他に、
その
遭遇した二人組は、楓と美羽を守って死んだ3人組と同じように紫のネクタイを身につけており、俺の後輩である高校一年生の男二人組だった。
彼らはこれまで奇跡的に黒斬狼には出会わなかったようだが、急にこのようは汚らしい土の迷路に閉じ込められて精神が摩耗していた。
俺たちが声をかけると疲弊の色が強かった顔を喜色に染めて俺たちに駆け寄って来た。
他の生存者、しかも先輩である俺を見て助かったと思ったようだ。とはいえ、もちろん俺は当分は配下を増やす予定などない。食糧的に考えてもな。
そして俺は彼らが駆け寄って来たと同時に首を刎ねて殺したのだが、その時何と黒斬狼とは比べ物にならない程の経験値が手に入り、Lvが上昇したしたばかりなのにまた上昇したのだ。
しかも、同時に『同族殺し』という《
もちろん、破格の効果を持つこの《
しかし、それでも尚メリットが非常に大きい。まるでこの世界の新たなシステムが『同族殺し』を勧めているようにすら感じるほどだ。
まあ、それならそれで俺たちは当分
そして俺は、その高経験値の狩りの効率を上げるために、索敵要員として黒斬狼を『
先程ようやくそのための黒斬狼たち十匹を『
元々美羽の『鑑定』で、黒斬狼が『嗅覚強化』を持っていることが判明したため、『
黒斬狼の『ステータス』を確認したところ、何と黒斬狼は『嗅覚強化』の他に、『聴覚強化』『気配感知』『魔力感知』という索敵に役立つ能力を三つも備えていたのだ。
索敵に使える《
むしろこれで時間の問題でなかったら何だというのか。俺たちはこれまで殆ど出会わなかったが、それは黒斬狼がいなかったからだ。黒斬狼がいれば極短時間で多くの普人族を発見するだろう。
「う、うわぁぁぁ、来るなーー!!」
そんなことを考えていたら、早速黒斬狼は
これはLv10どころか今日中にLv20になるかもしれない。とは言っても俺ではなくこの二匹だけだが。
ゲームでもあるようにどうやら上位職は必要経験値が多いらしく、残念ながら未だに俺のLvは二匹のLvの半分しかない。しかし、そんな俺でも今日中にLv10は行きそうだというのだから、黒斬狼を利用したこのLv上げの効率の素晴らしさが分かる。
さらに死んでも新しい個体を『
まあ、死なない方が得だから出来るだけ食糧は渡す予定だが。一度自身の配下になった存在には出来るだけ死んで欲しくないからな。
そう考えながら俺は一振りで一人目の首を刎ね、時々
§ § §
そんなことを繰り返し、だいたい5日が経った頃。
俺たちは5mはある巨大な門を眺めていた。門には角の生えた黒斬狼の模様が描かれており、二匹の息を多少重くする程度の重圧を放っていた。これだけ聞くと大したことはなさそうだが、恐らくLv10程度であれば歩くことすら困難な程の重圧だろう。
今の俺たちに効かないのは、単純にLvの差だ。二匹のLvは30を超え、Lv10に達してからさらに上がり難くなった俺のLvも15を超えている。流石にこのLv代になると、戦闘には向いていない鑑定士にさえ重圧は殆ど効かない。
さて、この巨門の先はゲームでいえば間違えなく
残念ながら
そしてここを
それに俺たちは最早同族狩りをしても殆どLvが上がらない状況であるため、大量の経験値を持っていそうな
というわけで、早速俺は二匹と十匹の黒斬狼を連れて巨門の先へと足を踏み入れた。
巨門の先に広がっていたのは、予想通り
巨門に描かれていた存在のようで、頭に角が生えたことと大きさ以外は黒斬狼にそっくりだ。恐らく黒斬狼の上位種かそれに近い《種族》なのだろう。
まあ、まずは情報収集だな。俺は素早く美羽に『鑑定』の使用を命じた。
「
「はい。Lvは10、《種族》は黒斬狼主、《
『闇魔法』と『下位種召喚』はかなり厄介だな。
まず『闇魔法』だが、能力が下がること自体は問題ではない。能力が下がってもこの巨狼を討伐できるだけの力はあるだろう。問題は、突然身体能力が変化したら、身体の制御が困難になることだ。
俺はまだ大丈夫だろうが、他はそうではないだろうしな。もしも敵の目の前でそんな事態になったら、大した抵抗もできずに死ぬだろう。
逆に『下位種召喚』は純粋に厄介だ。こちらの数の利がなくなるどころか、逆に数的不利になる可能性もある。また、俺も従えていて分かったが、黒斬狼は群れとしての能力も優れている。優れた群れは、時に強靭な個人よりも危険だ。
俺はもちろん、
奇跡的に黒斬狼はこれまで死ななかったが、今回の戦いで何匹か死ぬだろうな。Lvが上がったことで、索敵能力も上がったのに残念だ。
いや、いっそこの巨狼ーーーー黒斬狼主ーーーーを『調教術』で『
§ § §
結論から言うと、残念ながら
まあ、予想よりも黒斬狼主が強くて、二匹にとっては命懸けの戦いだっただろうから仕方ない。それに、別にあの黒斬狼主にこだわる必要もなかったしな。
何故その必要がないかというと、俺は
そう、俺が数匹は死ぬだろうと予想していた十匹の黒斬狼が進化したのだ。どうも俺の予想よりもLvの力は大きかったようで、俺たちと行動を共にしてLvが上がっていた黒斬狼にとって、『下位種召喚』で召喚される同族は相手にならなかった。
そして、
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『固有名』
《種族》黒斬狼LvMAX(30) 《天職》狩人Lv30
性別:雄(8匹)・雌(2匹) 年齢:0
能力値
筋力:D- 魔力:E- 速力:C- 妖力:E- 堅力:D 魅力:E-
《
近接物理戦闘系
『狩猟術Lv3』『爪術Lv2』『牙術Lv2』
身体能力強化系
『嗅覚強化Lv3』『聴覚強化Lv3』『脚力強化Lv2』
特殊能力系
『気配感知Lv4』『魔力感知Lv3』『連携Lv3』『隠密Lv2』
所有者マスター:
進化候補
黒斬狼LvMAX(30)→ 黒斬狼主Lv1
黒斬狼LvMAX(30)→ 黒刃狼Lv1
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『ステータス』が記している通り、進化先は二つ。
一つ目の黒斬狼主は、今俺たちが討伐した
美羽が
二つ目の黒刃狼については、見たことがないから分からない点も多いが、
正直、現在の情報を比べるならば、黒斬狼主一択だ。『爪術』や『牙術』のLvも高くないしな。それなら多才な黒斬狼主の方がいい。
大きくなったことで一見これまでの役割であった索敵には不向きに見えるが、『索敵』を持っているようにむしろ能力が強化されている。召喚した黒斬狼にやらせることもできるしな。
だが、俺はあえて三匹は黒刃狼に進化させようと考えている。俺は黒刃狼ではなく、そのさらなる進化先に期待しているのだ。また、いくら非常食や人肉があると言っても、進化して大きくなると食糧消費も激しくなるだろうしな。
黒斬狼だった頃と違い、進化までしたのに殺すのは勿体無いというものだ。
そういう訳で、俺は七匹を黒斬狼主に、残りの三匹は黒刃狼に進化させた。そして、そのまま
さて、次の階層には果たして何があるのだろうか?
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