第2話【調教と鑑定】
処女作です。誤字脱字報告、よろしかったら是非お願いします!
感想、評価、ブクマを付けてくださっている方々、本当にありがとうございます!!
*小説家になろうでも連載しています。https://ncode.syosetu.com/n7518gv/
*午後七時に更新(度々更新日を変更して申し訳ありません。一週間に1~3話投稿する予定でしたが、それも厳しいので、10日ずつ1話投稿しようと思います。最近仕事が忙しいため、更新日を減らさせていただきました。ある程度仕事が落ち着いたら、更新日を明確にし、投稿頻度も増やそうと考えています)
————————————————————————————————————
それから数時間が経過した。俺はその間に合計23匹の黒斬狼を討伐し、今は最初に転移した小部屋と似た場所で休憩を取っている。
これまで黒斬狼と戦闘をして判明したことがあった。それは俺の予想通り、この
このゲームのような能力のおかげで、俺は最初の死闘とは比べ物にならない程楽に、黒斬狼を討伐することが出来た。
一つ目の能力は「重量の軽減」。これについては、戦闘開始後すぐに確信した。
持っているときは見た目よりもかなり重かったが、戦闘が始まった瞬間木刀のように軽くなった。
しかも軽くなったにもかかわらず、攻撃の重さは持っているときの重さと変わらない。おそらく、俺だけが戦闘時に軽く感じるようになっているのだろう。
木刀のように振るえる
しかし、それだけではなく二つ目の能力として「斬撃の強化」という能力も持っている。
これについては、軽い一振りで黒斬狼を骨ごと一刀両断するのを目の当たりにして確信した。ギリギリ殺せる程度の力しか込めなかったのに、骨ごと一刀両断はあまりにもおかしかったからだ。
最初は、『ステータス』に覚醒したせいで俺の身体能力が劇的に向上しているためという可能性も考えた。
だが、その後黒斬狼を足で蹴ったときの感覚から察するにかなり強化はされているようだが、骨ごと一刀両断する程ではないと判断し、
木刀のように振るえる、怪物級の斬撃が放てる
俺はこれまで数々の名剣を見てきたが、この
この
場合によっては売ることも考えていたが、出来るだけ避けたほうがいいだろうな。
とはいえ最初の黒斬狼以来、
最初の1匹と合わせて、合計24匹倒して一つしか手に入っていないということを考えると、かなりドロップは珍しいみたいだし当分は大丈夫だろう。
そして最初に
これがなければ、俺でも死んでいた可能性が存在する。黒斬狼は、世界が変わる前の熊よりも遥かに強かったしな。
さて、最初は出口が見つからなければ野宿をして、救助が来るまで待機をすべきだと考えていたが、世界の在り方が変わった以上救助が来る可能性は低いだろう。
流石に全ての場所がこのような場所になったとは考え難いが、それでも何かしらの変化はあっただろうしな。それに『ステータス』の存在がある以上、法事国家としての機能が麻痺しているかもしれない。
才能、技量、
いや、そもそも一般人では黒斬狼のような存在を倒すことなどできないことを考えると、ほぼ確実にそうなっているのだろう。
そうなれば、熟練の軍人や一流以上の武人などがいない街は、もはや法など機能していなくて当然か。
となれば、俺はとりあえず食糧捜索を最優先事項としてLv上げなどに精を出すべきだな。
もちろん、出口が見つかれば即座に脱出するつもりだが、そう簡単に見つかるとも思えないし、当分この場所で暮らす準備をしなければいけない。
とりあえず他の人間ーーーーいや、
同族を殺した際、新しい《
しかし、では食糧はどうやって見つければいいのか。足手纏いの死体から奪った非常食も含めて、現状では精々6日が限度だろう。
黒斬狼は殺したら消えてしまうしな。一度足だけを切ってみたが、すぐに消失してしまった。最悪血を水代わりに飲むことも可能だが、他者の血を飲むのは嫌だから可能な限り避けたい。
そうやって俺が頭を抱えてこれからについて悩んでいると、近くから複数の悲鳴が聞こえてきた。どうやら、幸運の女神とやらは俺を愛しているらしい。
俺は《
そうして駆けつけると、その場には三人の男子生徒の死体と二人のまだ生きている女子生徒がいた。黒斬狼と違い死体が消えていないことに歓喜するが、今はその感情を抑えて生きている二人を観察する。二人は、二体の黒斬狼を見て酷く怯えている。まだ死んでいないのは、死体の位置的に男たちが文字通り命懸けで守ったからみたいだ。
まずは三人の男子生徒の死体を観察する。紫のネクタイからして後輩の高校一年生、身体の鍛え具合から察するにおそらく何らかの武術を学んでいるな。
なるほど、道理で悲鳴が聞こえてから多少時間が経ったにもかかわらず、まだ全滅していないわけだ。残りの二人を文字通り命を懸けて守ったわけか。
そして、その守られた二人は青いリボンを見るに、まだ中等部の子供。身体から察するに、武術も学んではいないようだし、戦う力はないみたいだな。
わざわざこんな弱い存在を守るなど、随分と甘ったれた性根をしていたようだ。
まあ、どうせ黒斬狼の後に殺すので、その命懸けの行為も無駄なのだが......いや、待て。ゲームみたいな世界に変わったことだし、もしかしたら調教属性の《
三人分の死体がある以上食糧問題は当分解決したし、殺さずに従えることにした方が良さそうだ。正直従えるなら高等部の生徒か教師の方が使えるが、まあ使いようはあるから良しとしよう。
「グガァアァァ!!」
そう考えをまとめていたら、突然現れた俺を警戒していた黒斬狼が、焦れたのか片方は二人に、もう片方は俺に飛びかかってくる。
俺は、
そのせいか、一人は恐怖によって気絶してしまったようだ。中等部とはいえ脆弱な精神だ、予想はしていたがあまり使えないかもしれないな。
まあ、とりあえず一人いれば会話は出来るから、それについては話した後で考えるとしよう。
「お前、この近くに他に生存者はいるか?」
とりあえず他の生存者の確認だ。流石に現状で三人以上を従えるつもりはないし、食糧も当分問題はなくなったが、もし近くにいるなら急いで殺す必要がある。
普段であればわざわざ探してまで殺すような面倒なことはしないが、『ステータス』がある以上放置は愚行だ。成長して、強くなられたら厄介極まりない。
幸い、非常食も持っているだろうし、
この状況下で、人肉とはいえ肉が食えるのはいいことだ。まずいからあまり食いたくはないから、調教属性の《
「あ、あの、あなたは誰ですか......?」
ようやく口を開いた。ただ質問には答えず、感謝も述べずに名前を聞いているようだ。仮にも命の恩人に対してその対応はどうかと思うが、様子から見るに混乱しているのだろう。
まあ、一般的な女子中学生であれば仕方ないのだろうな。むしろこの反応が正常か。
しかしこいつ、観察してみたところなかなか良い体幹をしている。鍛えれば肉壁以外にも使える可能性が高い。もう一人と違って精神力も多少はあるようだしな。
調教属性の《
現状では、こいつで時間をかけて習得していくのが最適だろう。
「俺の名前は、
声にわざと少しの苛立ちを込めて話す。別に苛立ってはいないが、
そして屈服させるには、生死の危機すらも感じた黒斬狼への恐怖を俺への恐怖に移行させるのが手っ取り早い。
それに目の前で殺したので俺の力量については理解しているから、成功率も多少は上がっているだろう。とはいえ、これだけでは屈服などしないだろうが。
「い、いません。それよりも、あの...」
ようやく質問に答えてきた。他に生存者はいないのか、運がいい。いや普通いれば、こんな状況なのだし一緒に行動しているだろうから当然か。声には怯えが少し混じっている、予想よりも屈服させるのは楽になりそうだ。
さて、では次は実際に調教をして屈服させるとしよう。それによって
まあ、まずは俺の目の前で眠った脆弱な娘を殴り起こし、罰を与えるとしようか。中等部とはいえ、女だから多少は楽しめるだろう。
§ § §
「うっ.....ひぐっ.....」
よし、どうやら調教に成功したらしい。ゲームみたいだから存在する可能性が高いとは思っていたが、予想よりも遥かに簡単に『調教術』を取得できた。ゲームでは魔物にしか使えなかったから、人間相手に取得できるかという点については不明だったが取得できて良かった。
それに、感覚的に
さて、では
まずは、目の前に這い蹲っているこいつらの『ステータス』を見るか。どうやら、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『固有名』
《種族》
性別:女 年齢:14
能力値
筋力:E- 魔力:E- 速力:E- 妖力:E- 堅力:E 魅力:E
《
近接物理戦闘系
『盾術Lv1』
物理生産系
『家事Lv3』『算術Lv3』
身体能力強化系
『身体能力強化Lv1』
特殊能力系
『胆力Lv2』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『固有名』
《種族》
性別:女 年齢:14
能力値
筋力:E- 魔力:E- 速力:E- 妖力:E- 堅力:E- 魅力:E
《
近接物理戦闘系
『逃走術Lv1』
物理生産系
『商術Lv3』『料理Lv2』『鑑定Lv1』
身体能力強化系
『脚力強化Lv1』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これは........!ハハハッ、俺は本当に幸運の女神に愛されているのかもしれないな。
まさか、こんなにも早く、鑑定士を手に入れられるとは思わなかった。これで、ようやく俺が使える《
これまでは、俺が使える技の名前を片っ端から試して、何とか『瞬歩』などの
いや、『騎馬術』は使えないか。馬がいなければ使えないのは相変わらず不便極まりないな。まあ、このような場所ではいたとしても使い難いが。
それよりも、鑑定士だけでなく、盾士も中々に有用だ。一般的な女子中学生の身体であることを加味すると、かなりの堅力を持っている。
俺を含めて三つの『ステータス』の各能力値から推察してみたが、筋力と速力と堅力においては恐らく一般成人男性の能力値の平均はE、魔力と妖力と魅力の平均はE-だろう。
速力から推察するに多少の運動はしていたとはいえ、Eは一般的な女子中学生が至れる堅力の値ではない。侍のように、盾士も能力値への補正効果があるみたいだな。
俺と同じ上位職にまで成長すると、俺の堅力すらも超えるかもしれない。肉壁程度と考えていたが、かなりいい拾い物をした。
二匹が戦っていないのに『ステータス』に覚醒しているのは、俺が黒斬狼を倒した経験値も共有されたと考えるべきだろうな。
ゲームに近いとは思っていたが、まさかパーティ機能まであるとはな、少し驚いた。というか、もしかして先ほど混乱していたのは、あの機械的な音声も原因か?
まあ、考察は一旦置いておいて、早速『鑑定』をさせるか。その後は、この二匹を連れて再び道を進むとしよう。食糧(3人の男子生徒の死体)も手に入ったことだし、当分は何とかなりそうだ。
いや、まずは服を着せるのが先決か。殴っていたら、ボロボロになって最早服の体を成していないな。高等部であれば着せなかったかもしれないが、一応まだ中等部なのだし、それぐらいの温情はかけてやってもいいだろう。
「おい、死体から服を剥ぎ取って身に着けろ。美羽はその後に全員の《
二匹は頷き、死体に向かうと服を剥ぎ取り出した。かなり従順になっている。この様子を見る限り、《
でなければ、こうもうまく調教が成功するとは思えない。これまでは見てきただけで、自らしたのは生まれて初めてだ。
いくら『調教術』とはいえ、まだLv1だから効果は薄いと思っていたが、どうやらかなり使えるようだな。
二匹が服を身に着けると、俺の周りに集まる。そして、美羽が『鑑定』した内容を紙にまとめて俺に渡した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
近接物理戦闘系
『刀剣術』・・・剣術と刀術の複合上位互換。刀剣の扱い及び技量の上達速度に補正。補正値はLvにより変動。Lvが上昇すると、使用出来る
Lv1『影刃』・・・攻撃に影属性を追加する。
Lv2『剣舞』・・・刀剣の分身が発生し、身の周りに浮かんで防御する。
Lv3『
Lv4『瞬歩』・・・視界内に一瞬で移動する。
Lv5『伸縮』・・・刀剣の長さを自由に変更する。
Lv6『
『格闘術』・・・体術の上位互換。身体操作能力の上達速度に補正。補正値はLvにより変動。Lvが上昇すると、使用出来る
Lv1『
Lv2『氷拳』・・・拳に氷属性を追加する。
Lv3『発勁』・・・氣を掌に集め、解放する。
『騎馬術』・・・乗馬の上達速度に補正。補正値はLvにより変動。Lvが上昇すると、使用出来る
Lv1『不離一体』・・・どんな体勢でも馬から離れない。
Lv3『馬語』・・・馬の言語を理解する。ただし、馬がこちらの言葉を理解できるようになるわけではない。
『盾術』・・・盾の扱い及び技量の上達速度に補正。補正値はLvにより変動。Lvが上昇すると、使用出来る
Lv1『
『逃走術』・・・速力に補正。補正値はLvにより変動。Lvが上昇すると、使用出来る
Lv1『敗走』・・・速力を上昇させる。
『調教術』・・・他者を従え、己が僕とする。命令時、僕の能力値に補正。補正値はLvにより変動。Lvが上昇すると、使用出来る
LV1『
遠距離物理戦闘系
『投擲術』・・・投擲の命中率に補正。補正値はLvにより変動。Lvが上昇すると、使用出来る
Lv1『必中』・・・命中率を上昇させる。
Lv3『重増』・・・投擲物の重さを増加させる。
物理生産系
『家事』・・・料理、掃除、応急処置などの複合上位互換。家事をするとき身体能力に補正。補正値はLvにより変動。
『料理』・・・
『商術』・・・算術、交渉術、市場把握などの複合上位互換。商売をするとき魅力に補正。補正値はLvにより変動。
『算術』・・・計算速度に補正。補正値はLvにより変動。
『鑑定』・・・鑑定能力の付与、及び補正。補正値はLvにより変動。
身体能力強化系
『氣纏』・・・氣を身体に纏う。纏える氣の量はLvにより変動。
『身体能力強化』・・・腕力強化や脚力強化などの複合上位互換。身体能力に補正。補正値はLvにより変動。
『脚力強化』・・・脚力に補正。補正値はLvにより変動。
特殊能力系
『
『胆力』・・・胆力値に補正。補正値はLvにより変動。
『気配感知』・・・一定範囲の気配感知が可能。範囲はLvにより変動。
『指導』・・・指導対象の《
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ほう、かなり多いな。しかし、
まあそれでも、最初と比べれば十分な情報量といっていいだろう。より細かい情報は、実際に試して把握していくとしよう。
では早速、黒斬狼狩りと行こうか。この二匹の育成もしなければならないだろうしな。
————————————————————————————————————
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひフォロー、応援、下の評価を三つ星よろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます