面白いです。
タイトルから察する通り、NTRに見せかけたコメディです。
本作はNTRテンプレ「もしもしオタクくーん?」から始まるエロ展開を知っている読者ほどタイトルに惹かれますが、内容に18禁表現は無く上記のテンプレを知らなくても楽しめる内容になってます。
大抵の場合、NTRする側のチャラ男は頭が良く狡猾でスマホ操作に難儀することはないのですが、このお話ではバカです。
そして電話を掛けられた主人公は、オタクくんではありません。
ええその通り、間違い電話です。
つまり何の関係もない人間からNTR(直前)現場をビデオ通話で見せられ、しかもその後は人生相談までされます。いやどっちでもいいから電話切れよ。
そして根はけっこう真面目な主人公、内心で罵倒しつつしっかりチャラ男の話を聞いてアドバイスします。
多分、内心のさらに奥では状況を楽しんでるのかもしれませんね。
先程は電話切れよと言いましたが、もし私にもこの電話が掛かって来たら笑い堪えながら話聞きますもん。
そんな感じでNTRを狙ったチャラ男のおバカさに主人公が冷静にツッコミを入れる状況を楽しむコントの様な作品であり、NTR的な鬱と快感はどこにもありません。
なのでNTRが苦手な人でも全然楽しめます。
純粋なNTR展開を期待した方には残念だと思いますが、そもそもタイトルの時点で勘のいい人は察せることでしょう。
↓ここからは作中表現に関する私見です。
本作は「NTR」という符号を利用し、それとは相反するコメディ展開を楽しむギャップの作品だと思っています。
チャラ男が寝取ろうとしている女性はギャルでしたが、ここは清楚系の黒髪ロングな女性であれば、よりNTRの精度が増したかもしれません。
一般的にギャルは遊んでいるイメージが強いので、それよりは遊んでいるイメージが少ない清楚系の女性の方が、場面を想像した際のNTR感がより高まる気がします。
作品のメイン部分(NTRという符号)を強化することで、後から来るコメディが際立つと思いました。
また主人公が好きな女上司ですが、「仏の〜」という表現をすると誰にでも優しいという印象を受けますが、おそらくこの上司は主人公にゾッコンなのでしょう。
「周りには厳しいが俺だけには妙に優しい」みたいな表現が作中でされているなら、最後の逆プロポーズもストンと入って来ますし、目をハートにして主人公に迫る上司の姿が想像出来るようになります。
ただ、ここに関してはキャラ付けの話になるので、最終的には作者さんの好みだと思います。私の好みはこんな感じです。
以上、長文で失礼いたしました。
次回作も大変期待しております。