第4話真夏の海(後編)

「毒海蛇は見つかったのか?」と松山警部が問いかけた。

「はい。」と山本警官は毒海蛇を見せた。

「やはり、事故死か・・・?」

「事故死じゃないと思いますよ。松山警部。」


「また、君か!!貴寛探偵。どうして、ここに?」

「今日は休みだったので、寛樹と海水浴に来たんです。そしたら、この人たちと会って・・・。」と言って、青山大学3年の推理研究部たちを紹介した。


「で、なんで事故死じゃないといえるんだ?」

「ここじゃなんですので、事務所で推理しましょう。」

貴寛たちは、ここの事務所へ向かった。許可を得て中に入った。

「なぜ、事故死じゃないといえるか、説明してくれるか。」と松山警部は問いかけた。


「分かりました。まず、こんな陸に近いところに毒海蛇がいるのがおかしい。そもそも、毒海蛇はこんな浅いところ来ませんよね?係委員さん。」

「はい。貴寛さんの言う通りです。」と、毒海蛇について説明した。

「だが、たまたまきたという可能性もある。これだけでは事故死じゃないとは言えませんよ。」

「そうです。これだけでは言えませんけど、根拠となるものがある。寛樹、持ってきてくれ。」


「はい。これです」と、松山警部に見せた。

「これは、テープ・・・?」

「毒海蛇についてました。おそらく犯人は、この2つと手袋を使って慎介さんを毒殺したんでしょう。」


「だが、どうやって毒殺したんだ?」

「まず、犯人は毒海蛇に嚙まれないように手袋をして、次に毒海蛇の口にテープを巻き付けて、最後に毒海蛇を胸に隠したんですよ。そして、慎介さんの近くに行きテープを外して毒海蛇で毒殺したんです。」

「なるほど。で、誰が犯人なんだ?」


「慎介さんを毒殺したのは、あの時、慎介さんの隣にいた金城奈美子さん。あなただ!!」

「ハハハ、冗談ですよね?貴寛探偵。私には、彼を殺す動機がないんですよ。」

「多分動機は、慎介さんとの関係ですかね?すみません、里美さんたちから聞きました。」


「でも、証拠がないですか?!こんな空想話!!」

「証拠なら、このテープに・・・。」と、犯行に使われたテープを見せた。

「そのテープの何処に証拠が・・・。」と、何かを思い出して言葉を失った。

「そう、確かに手袋をしていたので、どこにも指紋は残っていない。だが、どうしても手袋を外さないといけない時がある。それはテープを外す時だ。つまり、テープには、あなたの指紋がついているはず。」

奈美子は崩れ落ちた。


そして、ゆっくりと話し始めた。

「慎介とは、高校生から付き合っていました。だけど先月、彼が別の女といるところを見ました。後から慎介に聞きました。慎介は、お前みたいなブスは飽きた。お前より、今の彼女の方が可愛いからな。もう、お前みたいなブスな女には興味はないと言われ、この計画を思いつきました。」と、全て自供した。

金城奈美子は逮捕され、パトカーで連行されていった。


「今日は、活躍できなかったな!寛樹。」

「犯行を認めて、抵抗もしなかったからね。しかし、女性というものは怖いですね。貴寛さんも気をつけてください。」

「分かってる。でも、優しい女の方が多いぞ。」

(はぁ~、やっぱりこの人は、女性に関してはダメだ。)と思う寛樹であった。


さぁ、次はどんな難事件が2人を待っているだろうか?


                《続く!!》

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