第2話満月の夜殺人事件

静かな満月の夜。会社員の川光明かわみつあきらは、仕事終わりの帰り道。

「おい。」と言われ、後ろを振り返った・・・。


 次の朝午前9時、明は遺体となって見つかった。現場には、警察と多くの人々が集まっていた。

「すぐ、この人の身元と死因を調べてくれ。」と松山警部がいった。数分後、山本警官が報告しにきた。


「松山警部、この人の名前は川光明。会社員だそうです。」

「で、死因は?」

「鑑識の結果によりますと、銃で頭を撃たれたものと思われます。死亡推定時刻は、昨夜の午後9時から午後10時だと思います。」

「そうか。目撃者は?」

「目撃者はいません。昼間は人が通りますが、夜になると店とかもないので、人が通るのも少なくなると思われます。あの時間帯は特に・・・。」

「そうか。犯人の手掛かりはなしか・・・。分かっているのは、被害者の身元だけか・・・。」

松山警部は頭を抱えた。


「あれ、松山警部じゃないですか?!」

貴寛たかひろ探偵!!どうしてこんなところに?」

渡辺貴寛わたなべたかひろは神探偵と呼ばれている物凄い推理力で、さまざまな難事件を解決してきた有名な探偵だ。助手の松高寛樹まつたかひろきと共に

私立探偵をやっている。助手の寛樹は、貴寛探偵に憧れてデタラメに推理して、貴寛に怒られている。そんな寛樹だが、物凄い格闘技で犯人をやっつけてしまう。

「たまたま、この近くを寛樹と通りかかったら、パトカーと人が集まっていましたので、何かあったのかな?と思い来ました。」

「そうだったのか!!ちょうどよかった。犯人の証拠がなくて困っていたんだよ。」

松山警部は、貴寛に事件の説明をした。


「なるほど。犯人は殺しのプロの暗殺者か、何処かの暗殺組織でしょうな。」

「どうして、分かるんだ?」

「だって、証拠も残さないといったら、この2つしかないんですよ。」

「なるほど。」

「じゃ、私たちは証拠を探してきます。おい寛樹、行くぞ!」


貴寛と寛樹は、証拠を探しに行った。松山警部たちもそのような人物や、組織がいなかったか署に戻った。だが、貴寛たちと松山警部たちは証拠を掴むことはできなかった・・・。


午後3時頃、貴寛探偵事務所に1本の電話がかかってきた。

「こんな忙しい時に誰だ?」

貴寛は電話に出た。

「はい、もしもし?貴寛探偵事務所。」

「やぁ、貴寛探偵。犯人が見つからなくて困っているみたいだね。」と笑った。

「誰だ?!」

「俺は、暗殺組織フォックスのリーダー、ゼブラ様だ。」

「まさか、あの暗殺はお前たちか?!」

「ハハハ、そうさ。」

「なぜ殺した?!」

「あいつは俺たちのことを、裏切ったから殺したのさ。」

「なぜ私のところに連絡したんだ?」

「ただ、捕まるのは面白くない。俺様とゲームしようや!」

「ゲームだと・・・。」

「魚がたくさん泳いでいるところに2つの爆弾を仕掛けた。午後7時に爆発するのに設定している。さぁ、神探偵貴寛さん、見つけられるかな?ハハハ・・・。」と笑いながら電話を切った。

「クソ!ナメたまねしやがって!!」と貴寛は受話器を叩きつけた。


「貴寛さん、相手はなんて・・・?」と寛樹は問いかけた。貴寛は全てを話した。

「水族館というのは間違いなさそうですね。」

「何処の水族館だよ!」

「それは・・・。」

2人は悩み続けた。結局、何処の水族館か分からないまま、1時間が経過した。


「爆発時間まで、あと3時間か・・・。」と貴寛は言った。その時、ニュースが流れてきた。

「今日、オープンしたイーモル水族館!!イーモル水族館は、水族館だけではなく47店舗以上のお店があります。今日は、オープンイベントもたくさんやっていてたくさんの人々でにぎわっています。今夜7時からは、100発花火もやるそうなので、ぜひイーモル水族館にお越しください!!」

「ここだ!!寛樹、松山警部に連絡してくれ!」

「了解しました。」


寛樹は、急いで松山警部に連絡した。

「本当なのか?!寛樹君?」

「はい。」

「分かった。すぐ向かう!!」

貴寛と寛樹も急いで現場に向かった。現場に到着したのは午後5時だった。松山警部たちも到着した。


「爆発時刻まで、あと2時間なので急ぎましょう!!」と貴寛は言った。

「私たちは、一般人の安全を守るため、客全員を避難させるよ。」

「お願いします。寛樹、お前も頼んだぞ!」

「了解しました。」

「私と爆発物処理部隊は、爆弾を探します。」

「貴寛探偵、爆弾を解体できるんですか?!」と松山警部は驚いた。

「昔に、爆弾を処理したことあるので。」

貴寛は、探偵になる前は爆発物処理部隊にいたのだ。

「気をつけてください。」と寛樹は言った。


貴寛と爆発物処理部隊は爆弾探しに、寛樹と松山警部たちは客全員をイーモル水族館の近くにある安全な東京タワーに避難させた。1時間後、客全員を避難させた。だが、爆弾はまだ見つからなかった。


「クソ!あと1時間か!!」

貴寛は必死で探した。

「やっと、見つけたぞ!」

「こっちもあったぞ!!」

爆発まで、あと30分でようやく見つけた。

「急いで解体しましょう。」と貴寛は言った。その時、ドカーンと爆発音が聞こえイーモル水族館全体の電気がシャットダウンされた。

「クソ!電気がやられたか!!」

爆弾は時限爆弾で線を切るやつだった。

(クソ、赤か青かそれとも黄色か・・・?)

貴寛は迷った結果、1つは青、もう1つは赤をきった・・・。

爆発ギリギリで爆弾2つとも解体することに成功した・・・。


「やぁ、ご苦労様貴寛探偵。だが、これまでだ。」

「ゼブラ!!どういうことだ?!」

「前もって東京タワーにも仕掛けたもう1つの爆弾があと1分で爆発するんだよ!」

「テメエ!!」と貴寛は襲いかかろうとした。

「動くな!!動いたらドカーンだ!ハハハ。」とスイッチをだした。時間は、過ぎて行く。

「10秒前・・・、5秒前・・・、3、2、1、ドカーン」とゼブラは言ったが、爆発はしなかった。スイッチを押しても爆発はしなかった。


「なぜだ!!なぜ爆発しない!!」 

「爆発はしないぜ。」

「なんだと?!」

「だって、爆弾は俺が解体したもん。」と言った寛樹は解体した爆弾を持っていた。

「お前がなぜ持っている?!」

「それよりゼブラ、テメエは絶対に許さない!覚悟しろ!!」

寛樹は格闘技でゼブラをやっつけた。その後、暗殺組織フォックスは全員逮捕された。


イーモル水族館のオープンイベントは無事に開かれた。100発花火も綺麗だった。その帰り道、貴寛は寛樹に聞いた。

「お前が本当に解体したのか?」

「はい。実は、俺も爆発物処理部隊にいたんですよ。」

「そうだったのか。今回もお前に助けられたよ。ありがとうな!」

「そんなことないですよ!!」と照れくさそうに言った。


さぁ、次はどんな難事件が2人を待っているのだろう?

       

              《続く!!》

       

              

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