第3話 良い気分
指定されたお店に到着し、陸ちゃんの名前を告げると個室に通された。
少し緊張しつつ入っていくと久しぶりの陸ちゃんの後姿が見え、振り返った彼はそんなに変わっていないようだった。
「久しぶり~」
最初こそ少し緊張したが、やはり元恋人同士。共通の話題も多く、楽しく盛り上がった。こんな感じ、久々だな~とお酒も進んだ。
が、いきなり、「言ってなかったけど俺、結婚したんだよ。」
いきなりのことで動揺したが、
「え?いつ?おめでとうー!」
とめでたい感じで言った。
子供も生まれたばかりみたいだった。
え?結婚してたの?人のこと言えないけど、子供うまれたばっかで元カノに飲みに行こうとか言うの?えー、、、なんか残念なやつ。ていうか、相手はどんな人なんだろう。
相手がどんな人かは、曖昧にしか教えてくれなかった。とりあえず、短期の地方勤務中に合コンで出会ったそうで、元美容師らしい。写真もちらっと見たが、はっきり言って微妙。こんなのでも、官僚夫人になれるなんてラッキーね、としか思わなかったが。
その後も飲み続け、お互い酔いも回ってきた。そうなると個室なのもあり、自然と昔のようにイチャイチャしてしまうものだ。お互い既婚者で、多分相手が好きなわけでもないのだが。でも陸ちゃんがとにかく、キレイとか、変わらないねとか、本当は今も好きとか、ペラペラ適当のことでも沢山褒めてくるので良い気分にならずにはいられなかった。
その後はもちろんホテルに誘われた。いやいや言いつつも確りタクシーに乗りホテルへ向かった。その間、陸ちゃんの電話は頻繁にブーと音をたてていた。
Fool In @meguri-nagare
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Fool Inの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます