第2話 一人目の相手

私が初めて不倫をしたのは結婚して5年くらい経ってからだった。

それまでも異性のいる飲みに行ったりはあったけど、不倫という程の事はしていない。一方的にくっつかれたりする程度で、後に連絡きてもスルーしていた。はっきり言って皆でワイワイするのは好きだけど、異性とどうこうなるのは無理。だって私ってば結婚してちゃんと真面目になったんだから!という自分に酔っていた所もあった。


だが、、、それは後に失敗する。人間って変わらないんだな、と。


その頃、拓に不満があったわけでもないが、ちょうど拓の実家に家族でお泊りに行く当日にささいなことで夫婦喧嘩をしてしまった。私が、もう行かない、行くならあなたと子供だけで行って、と伝えたところ一旦は中止となったのだが、義父母の孫に会いたい気持ちと子供たちのじいじばあばのお家行きたいという気持ちに負け、拓と子供だけがお泊りにいくこととなった。わたしは不機嫌に送り出したが、、、内心はラッキーーー!!!と思っていた。久々にパアーっと朝まで飲みに行こっと。


だが、、当時専業主婦だった私。年齢もまだ若かったので周りは独身だらけだしバリバリ仕事しているし、、しかも金曜日、みんな予定を入れていてそんな都合よく付き合ってくれる相手は見つからなかった。んー、、、女友達は全滅、、、自分から男誘うのさすがに気が引けるし、、、大人しく家で好きなことでもするかなとあきらめた。


だが、、、こんなタイミングにで大学の時の彼から連絡が来た。


「久しぶり~。元気?俺は部署異動してすごく忙しい~」


おお!陸ちゃん!なんてタイミング!!


「元気!がんばれー!」


「最近何してるの?行けるとき飲みいこうよ」


「今日!」


「まじか!俺仕事終わったから行く?」


「うん!」


と、スムーズに相手がみつかった。


陸ちゃん、、大学4年の時に少しだけ付き合った彼。

同じ学部内で4:4で合コンしたときに出会った。

陸ちゃんは当時学部内で結構有名になった人だったらしい。国家1種の試験、省庁の中でもトップレベルの省庁の試験に合格したうちの一人だったからだ。私は人伝いに聞いていたが公務員にあまり興味がなかったのでふーんという感じだった。

合コンの最初で内定先をそれぞれ伝えたときに、あーこの人なんだと知った。思ったよりはいけてるかも。


と、こんな出会いで知り合い、陸ちゃんから一目ぼれしたと後に告げられた。実はちょっと前に何回か遊んだ男性も官僚だったが、本当に勘違いすごくて、自分の事キャリアキャリアってうるさかったので少し悩んだが、、陸ちゃんはそういうタイプじゃなさそうだしとりあえず付き合ってみた。でも、、、付き合いは長く続かなかった。何が悪いわけではないが、、、一緒にいてもあまり楽しくなかった。むこうは結婚する気満々だったみたいで親にも紹介されたけど。残念ながらお別れすることにした。でもそれからもたまに連絡が来る、そんな関係だった。あ、でもその後1回だけ酔った勢いでSEXしちゃった。お泊りした翌朝、実は彼女がいると告げられた。浮気じゃん!!と怒った(どの口がいうか、私も彼氏がいた)。


でも陸ちゃんは

「浮気じゃない。本気だから、やり直してほしい」


「無理」


「・・・」


そこからたまに連絡はとりつつ会うことはなかった。


が、こうして何年超しかで再会することになった。


準備して、六本木まで向かった。



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