第七話「謎」
Side 天野 猛
アーカディアの司令部に戻り、全員メディカルチェックを受けた。
しかしアーカディアの本部は野戦病院状態と化していた。
事態がある程度収束し、大道寺司令から話を聞くのは日を跨いでからとなった。
☆
アーカディアの司令本部。
そこに出席したのは天野 猛と城咲 春歌、揚羽 舞の三人だった。
姫路 凜はヒーロー部の部長としてではなく、天照学園の理事会の娘としてバックアップに回るらしい。
嵐山先生は今回の事件で猛達と戦う前に相当無茶していたらしく、安静にしているらしい。
「たった三人ですか?」
春歌の言葉は猛達の気持ちを代弁しているようだった。
「ここにいない他の面々はみな、傷ついて出られないか今も事態の収束のために動いているかだ」
と、大道寺 リュウガ司令が簡潔に説明する。
「・・・・・・本題に入りましょう、司令。Drジャスティスについて」
揚羽 舞が話を進める。
「ああ。Drジャスティスについてだが・・・・・・簡潔に言えば元天照学園の天才科学者だった。だが反旗を翻して当時の天照学園のメンバーの手で倒され、死んだ――はずだった」
「でも生きてたんですよね――」
昨日のことを思いだしたのか震えながら春歌が言う。
「君達のスーツ越しからデータースキャンをした結果、体の殆どを機械化している。恐らく一度倒された後にそうしたのだろう」
「Drジャスティスのことは分かったけどプリティアは何者なの?」
と、舞が質問する。
あの状況からみて死んだと考えるのが妥当であるが猛も正体は気になっていた。
「そこは調査中だ。今回の事件――まだ謎が多い。不確定な憶測や根拠で現場を乱すワケにはいかんからな。だがあえて言うなら異世界人である可能性が高い」
「異世界ですか――宇宙人ではなくて?」
春歌の反応は当然だった。
いくら宇宙人の襲来が起きたとはいえ、今度は異世界人である。
しかもプリティアの背格好から見て”剣と魔法の”と言う言葉がつく奴だ。
はいそうですか信じられなかった。
「今はここにはいないが――君達と同じヒーロー部の森口 沙耶君にも確認をとっている」
そこで意外が名前が出て猛と春歌は驚いた。
変身時は魔法少女のような恰好をしているがまさかここで彼女の名前ガ出てくるとは思わなかった。
司令は付け加えるように「それだけでなく過去のデーターベースや他のスペシャリストにも確認済みだ。ほぼ間違いないだろう」との事だ。
話の流れから察するに森口 沙耶はその異世界側について詳しい人物であるのだろうと二人は思った。
「今明かせる情報は残念ながらそれぐらいだ。厳しい状況だが協力を頼みたい」
と、大道寺 リュウガ司令は頭を下げた。
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