第47話 断罪 8
ハンス達を送り出すと、ものの10分程で馬達と荷馬車を運んで戻って来た。
「ルーク様!戻りました」
「ハンス…やけに早くないか?」
「ええ、それが…我々が城に着いた時にはもう、あれらが用意されてました。それと、馬や荷馬車の他にエルク様の影の方も何人か、此方にこられてます」
「そうなの? 誰が来た?」
「聞いてないのですか?」
「ないね。まあ良いよ、兄上が用意してくれたなら有難いし」
そんな話をしていると、ハンスと話す俺たちに一人の騎士が近付いて来て声を掛けられたが……誰だ?
「ルーク様!」
「ああ、お前が来たのか?セイ」
「ええ、お久しぶりですね?」
「久しぶり。で、兄上の命令か?」
「ええ、エルク様がですが?どうかされましたか?」
聞いてないんだよね……兄上連絡はしてくれないかね?
「いや、何でもない。セイの他には誰が来た?」
「ベレンとジルドです。後は、アルベマが来てます」
「そうか……。ハンス悪いがサンズと、クレバン呼んで来てくれ」
「はっ!」
「セイ、これからどうすか悩んでるんどけど?」
「おや?珍しいてすね?何をお悩みですか」
「ああ、ほら、保護した女と子どもをな?それに、捕らえた者達が多くてな」
「エルク様と御相談されては?」
「ん~兄上の手を煩わせてもなぁ~」
「ククク、そうですか?でしたら私達も協力しろと命令が有りましたから。お使いください」
「……そうか?なら、どうするかな……。騎士達は直ぐに処分だから。まぁここに埋めても良いのだが……」
「う、埋めるですか?」
「ああ、それか森に裸で空から落とす」
「………プッ!そ、それは楽しそうな。ククク」
「だろ?で、後は平民の男どもなんだよ。女達と一緒に運んで良いものか?」
「その、平民は何処に?」
「彼処で、檻に入れてあるが」
「そうですか…では、我々が男達を運びますか?」
「そう?なら、そうして貰おうかな?あの檻は車輪が付いてるが…馬の負担になるぞ?」
「そうですね……一人や二人じゃないですからね?」
「ならもう鎖繋いで引きずって行くか?」
「そう……ですか?」
「檻に乗せて楽をさせる事も無いだろうしな」
「ルーク様、因みにですが…」
「なに?」
「このまま、あの転移門を使えば早くないですか?」
「ん~そうはしたくないんだよね」
「なぜ?」
「城に平民は入れたくない。罪人だぞ?」
「まぁ、そうですね……」
……あぁ、そうか!エンケルの門手前に移動するか?あそこなら覚えてるしな。
先に門番に連絡すれば良いのか!
なら、クレバンに言って貰って警備して貰うのも手だな。
そんなことを考えてると、サンズとクレバンが近寄って来た。
「セイ!少し待ってくれ、クレバンと話すから」
「ええ、構いませんよ?」
「助かる。クレバン!こっちだ!」
「は!お呼びでしょうか?ルーク様」
「あぁ、お前エンケル飛んで門番……隊長に、連絡してくれ。俺らが転移門作ってそちらに移動するから、門を一時人払いしてくれと頼んでくれ」
「…………?あの門の周辺の人払いですか?」
「あぁ、西門の前を一時的にな?」
「……そう言う事ですか……。でしたら行ってきます!向こうの、用意が出来たらメッセージで、お知らせすれば宜しいですか?」
「あぁ、そうしてくれ、女たちと男どもを連れてくから」
「分かりました!では、お待ち下さい」
それだけ言うとクレバンはエンケルに向かって飛んで行った。
「さて、セイお前達には悪いが、男達を檻から一人ずつ出して、手錠と鎖繋ぐのを手伝ってくれないか?」
「ええ、構いませんよ?」
「サンズ、ハンス他の隊員に転移門で、エンケルに移動することを伝えて回れ!」
「「は、承知しました!」」
そうして移動の準備が終わると、クレバンからメッセージが入る。
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