第46話 断罪 7

 あとはここの処分だな。

 取り敢えず……ここにある建物は全て潰すだろ?

 それと、門は閉鎖だろ。ぶっ壊してやる!

 それから男供は……一応事情聴取してから奴隷に落とすかな?もしくは【晒す】かな?

 騎士は即刻断罪だからなぁ。…ふむつまらん。

 後は馬車だな……一番近い町まで……何日掛かかる?


「はぁ~」


 考える事が多くて、溜め息を付くと後ろから声が掛かった。誰…?


「主どうした?」

「ん?ああ、オルタか。どうしたよ、飽きたか?」

「まあ~の!人間とは、なんと愚かな…。と、思って居るところだ」

「そうだなぁ~、俺もそう思うが。これも人だよ。オルタ」

「呆れて物も言えんとは、これ如何にだな」

「……フフフ、そうだな。で、この後はどうするのだ?」

「ん?取り敢えずな。騎士の処分だ!」 

「それならイールがよい見本では?」

「なに、イール?」

「そうだ!彼処に転がる奴らの衣服をひん剥いて、森に捨てれば良い」


 ふむ……兄上からも首は持ち帰るなと言われてるしな…。


「…………ぶっ!ハハハそれは良いな。真っ裸で森に放り出すのか!」


 それはいいねぇ、被害者にその話をしてやるか?マーキュリー達がこっちに来てから、被害者を保護したら話すか?

 でも精神的に不味いよな。

 ……うん、聞かれたら答えよう。


「なら……奴らを檻に入れるか」


 騎士達が転がる場所に檻をだす。

 そして全員……約100名が檻に入れられた。

檻は全部で10基出した。


「……相変わらず……珍妙な魔法よのぉ…」


 ん?今度は誰の声?声がしたよな?まさかこの声…。


「……ん?ナルスか!」

「おお、主は声で分かるか?」

「……何しに来た?」

「なにしにとは、酷いの?我を置いてぼりにしてからに…」

「それで、なに?」

「……ふむ、主は雑よの?なぁオルタ」

「主は、何処に行っておった?」

「なに、ちょこっと……散歩にな?」

「ウオル……後任す」

「おい、押し付けるな!」

「知らんわ!」


 俺は忙しいんだ。


「むう……主。後で覚えておれよ!」


 ふん!忘れるわ!


 そして、マーキュリーとパルミラが到着したので二人には事情を話して、女たちや子どもたちを無事に保護したが…。

 その中に三人だけ厄介な女が居た。


 それは、娼館を切り盛りする女将の存在だ。

 この女達は年増の女達で、娼婦や娼夫達に随分と辛く当たって居たらしく……。

 話を聞いた、マーキュリーたちの機嫌がすこる悪くなっていた。


 さて、一通りの事は済んだが……。

 とらえた騎士以外の男たちも騎士同様の檻に入れて。


 あとは…保護した者達をどうするか?


「サンズ!」

「は、はい!」 

「捕らえた村の男たちは、全員捕らえたか?」

「それなら彼処に、一纏めにしてあります」

「そう。なら一旦こっちも檻に入れるか」


 檻作成!

 ドンドンドンドンと大きな音と共に車輪付きの檻が出現した。


「ルーク様!これは?」

「ん?これはあの男どもを入れる檻だ!手分けして押し込め!人数関係なく入れろ!」

「で、どうするんですか?」

「そうだなぁ……何せ馬が無いからね?」

「なら、城から運んで…」

「ハンスお前、ここ何処だと思って…。ああ~、なら転移門で繋ぐか」


 そうだ!馬を数頭連れて来て、引っ張って転移門通せば直ぐだな。

 ハハハ……悩んで損した。


「なら、転移門を厩舎に繋ぐから、お前とグレゴル、バルカンで馬と荷馬車を数台運んで来てくれ」

「承知しました」

「後はこっちだな。少し、ここから離れた場所に作るから」

「了解!おい!グレゴル、バルカン。ルーク様がお呼びだ!」

「「は!」」

「なんですか?」

「お呼びですか?」

「おう、ハンスと一緒に城へ行ってくれ、用件はハンスから聞け」

「…………? はい…分かりました」

「了解です!」


【パチン】と指を鳴らせば……はい向こうは城だ。


「お前ら、ここから向こうに行ってこい」

「「「承知」」」


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