第48話 断罪 9

 クレバンからの連絡もすんなり入り、あとは転移門設置だけだ。


「セイ!」

「なんでしょうか?」

「うちのサンズと一緒に、被害に遭った人達と男どもを連れて、エンケルに戻ってくれ」

「は!承知しました!ですか?ルーク様は?」

「俺らは騎士の始末だ、それが終わったらエンケルに戻るよ。それから兄上に連絡も宜しく。あとは、頼むと伝言付で」

「フフフ。承知しました。では、私は一足先に戻ります」

「あぁ、頼む。サンズ!お前らも宜しくな?」

「は!お任せを!エルク様の指示に従えば良いですか?」

「……あぁ、それで頼む」


 そして、被害者と加害者が一緒にエンケルの町に連れられていった。


 あとは、兄上に任せる!任せたい…。


「さて、オルタ!ウオル、ナルス!」

「「「なんだ?主」どうするのだ?」何が面白い事でもするのか?」

「面白いか…?それはどうかな?」

「何だ?あ奴らの処理なのだろ?」

「まぁ、そうだな」

「なら、あの檻ごとあの山の奥に捨てて仕舞えばよいだろ?裸でな。ワハハハ!笑えるのぉ~!」

「どうやって運ぶ?」

「そんなもの……ここは国境人気の無い森だ。ならば、元の姿に戻って我らが捨ててこよう!」


 その手があったか!


「なら、頼んで良いか?三人でバラバラの場所に撒いて来てくれ!なるべく高い場所の、森の茂の中に。そして、水場の無い場所へ頼みたい」

「おお、それは……ルークよ。なんともえげつないの?」

「フフフそうか?今まで散々好き勝手してきた騎士達だ。当然だろ?あいつら…何人の人を殺めたのか……」

「………わかった!主、我が捨ててこよう!」

「お、おうナルス頼む。それと少し待て!【パチン】これで良い!さっそくあの檻から持って行ってくれ!」


 ルークが【パチン】と指を鳴らせば、檻に入れられた騎士達の衣服が消えてなくなった!


「「「「ギャー」」」」

 

 と悲鳴が聞こえ、騒ぎが起こる。

 5基の檻の中には、身動き後出来ない裸の騎士が詰められて居る。

 なんとも滑稽な姿で笑えが……。


「キモ!」


 そして、ナルスにオルタ、ウオルがドラゴンの姿に戻るとまた檻から悲鳴が上がり、俺に命乞いをしてくる騎士達。


「ルーク様々、お助けください!二度と同じ過ちは犯しません!ですから、お慈悲を!お助けください!ルーク様!」

「おい!助けろよ!助けろ!」

「私を誰だと!」


 お前ら等誰だか知らん。


「煩せぇ!お前ら全員死ねよ!さあ、持って行ってくれ!」

「「「了解した!」」主、残りも我がやるからな!とって置けよ。ククク」

「………おう」


 返事をするとオルタ達は飛び立って行った。

 三頭バラバラバラの方向に向かって行ったな。


 なんとも楽で……簡単だったな……。


 あ!もう1基の檻はイールがもてんじゃね?


(イール!イール!何処だぁ?)

『ピィー主?』

(お前今時にいる?戻って来れる?)

『ピィー帰る!』

(なら早く、戻って来いよ!イール頼みたい事があるんだ)

『ピィー主…頼み事が多い!』

(なに?不満でも?)

『ピッ……な、ないよぉ~?今戻るし』


 よしよし……良い子だ。


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