第44話 断罪 5

 それから隊長らを縛り上げて、無理やり隊長たちの体を押し外に出て、その場でに突き飛ばして地面に転がした。


「う!痛い!な、何をする!」

「な、なにをする貴様!こんなことは許されないぞ!」

「なに?誰が貴様で、誰を許さないのかな?」

「そ、それは…」

「隊長!父上にこの事は、もう伝わってるし。それにもう、お前らの処分は決まってる。誰が俺の事を、許さないんだ?教えろよ?」


 そんなやり取りを外でしてると…村から人が出てきてる。

 なんか目線が痛い。

 目線を感じる方を見ると、俺らを睨んで見てるがそれだけだ。

 動こうとはしないな…様子見かな。

 でも、逃げようとしてないんだよね。

 逃げられない様にはしてあるけど。


 それに、女と子供は……建物の中に居るのかな……。探索しないとわからん。

 ……ならサーチ。


「ルーク様!騎士達全員100名縛って連れて来ました!」


 おっと、集中が切られた。

 まぁ、後でにしょうか。


「そうか。なら、こっちまで連れて来てそこに転がせよ。その際に両足折っとけよ?逃げるからな?」


 目の前でドサドサと騎士達が転がされる。

 うん、ウザイなんか文句言ってるしな。


「は!了解です。全員ですよね?」

「そうだ!階級関係なく、ここに居る全員の足な?」

「分かりました……。でもルーク様、エッグい」

「誰だぁー聞こえるぞぉ!」

「すみません!ケルバンです!」

「あ、お前…チクるなよ!マシューこのやろう!生意気な奴はこうだ!」

「痛い、ケルバン痛い!」

ケルバンがマシューの、頭を押さえて顳顬に拳骨でグリグリしてるが…。


「ほら、お前たち…巫山戯るなよ?」

「すんませんした!ルーク様」

「俺は悪くないですよね?」

「…………同罪だよ!馬鹿ども!」

「は、はい!すみませんルーク様」

「サブ!」

「は、はい!」

「サンズ、マシュー連れてけ!」

「ケルバンはここに居ろよ」

「は!はい!」


 俺の側で直立すると、ビシッと緊張した態度を取るが…ビクビクしてるのがよく分かる。


「ケルバン…久しぶりの仕事はどうだ?」

「はっ!楽しいです!」

「そう……まぁ、いいや。戻ってしっかり仕事しろよ?全く、俺は疲れた」 


『主……力ないねぇ?ピィー』


 おお、忘れてましたよ!イールくん!


(イール遊んで来るか?)

『ピィ!良いの?』

(いいぞ?大きくなってあの中の一人を、掴んで捨ててこいよ?)

『ええ、良いの大きく成っても!』

(おう、行ってこい!)

『わーい!なら連れてくねぇ~』

イールがウキウキすると体を大きくさせて集めた騎士たちの中の一人を鷲掴みにして空に羽ばたいて行った。


「ぎ、ギャー。た、助けてぇーーー」


 捕まれた騎士が騒いで消えた。面白れぇ。


「ルーク様……イールってあんなに大きかったのですか?」

「なんだ、チェスコか?そうだな。大きいよな?ハハハ!」

「ルーク様……あれ、一人連れて行きましたが…なにするんですか?」

「ん?ケルバン仕事は?イールに捨ててこいって言っただけだな。足折れてるから歩けねぇだろ?」

「今やってます!そ、そうですか…まあ水も食べ物も一切持ってませんし?武器もこの通り取り上げてますから……。それに、縛ってますからね?転がるしか…ハハハ!考えたら笑える!空から落とされたら一たまりもないですけど…」

「まあ、何日持つか…」

「持ちませんよ!」

「嫌わからんぞ?落ちた場所にもよるんじゃねぇ?」

「まあ…そうなればせいぜい…3日も持てば?」

「ハハハ…えげつねぇ!ルーク様、怖ええ!」


 フフフ。怖い…怖いかぁ?

 女犯す男らよりは恐くないよな……俺?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る