第41話 断罪 2

 おお!マシューが怒ってるぞ!


 マシュー!もっと煽っていいぞ!

 イケイケェ~!煽り倒せ!

 すると呆れたオルタが声を掛けてきた。


 すまん…少しテンションが馬鹿に…反省しました。


「主、我らは村の様子を見て……」

「いや、オルタ達は未だ居てくれ」

「そうか?なら、そこに座るとするか」

「むぅ……為らば暇よのぉ……」

「すまんね。で、国境隊隊長!ゲルマン!」

「は、はい!」

「お前らは、いつからこの村運営してる?」

「そ、そんなことは…」

「してないと?」

「は、はい!」

「して居りません!」


 こいつ…声デカい煩せぇ……。


「ルーク様に、嘘は通じないぜ?あんたら只では済まんよ?覚悟しとけよ……」

「ん、マシューなんだ……」

「すみません……出過ぎました?」

「あぁ、別にいいよ。で……外の案内を頼みたいが?」

「そ、それは……」

「………」


 ふぅ~んあんたら目を逸らすのか。

 ま、見れないよね?ククク。

 なんか楽しくなってきたぞ!


 村に多くの隊員が集まって来てる?外には何人居る?探知、鑑定……。


 騎士隊員おおよそ100名。

 村人…男女併せてて150名。

 騎士達と平民を併せて250人……ねぇ。


 なんか小さな村に成ってて……。


「よし!オルタ。ウオル、ここでこいつらを見張ってて!」

「主どうする?」

「村を見回ってくる。なんか、如何わしい建物があるしな。そこらを回って見てくるよ」

「……そうか?なら、見張ろう」

「我もか?」

「ん?なにウオル不満なのか?」

「それはそうだろ?こんな狭い部屋に男の見張り等…」

「まぁまぁ、そう言うなよ。後で旨い飯用意するからさ」

「なぬ!それは誠か?」

「あぁ、だがあとでだ!」

「分かった。ならば、見張ろう」

「あぁ頼むな。なら行くか、マシューお前は来い!」

「はい!」


 立ち上がり部屋を出ようとすると、ゲルマンが慌てた様子で俺の足止めをしてくる。

 ほら、やっぱり胡散臭いし色々隠したいのな?

 でももう知ってるんだよ。

 隠そうとしてるけど駄目だな。


「ル、ルーク様、外にはルーク様にお見せするもの等……」

「んな訳ねぇだろ?お前ら薄汚ねぇなぁ?子供を娼婦に落として、毎晩お楽しみなんだろ?お前…自分の娘より下の子供を抱いて。さぞ楽しいのだろうな?二人とも尊敬するぜ?屑が!」


「そ、それは……」

「な、なぜ!それを」


 それだけ言って下を向くのか?ハハハ自覚はあるんだ。


「ほぅ…主こやつらは、そんなことをしてるのか?」

「ああ、鑑定でバッチリだ!そこの二人もそうだがな。ここに居る騎士達、保々全員で遊んでるぞ?それには男の子…子どもは、奴隷商人に売り飛ばして金にしてる。概ねここの村は、騎士が中心になって色々してる。それに協力する平民の…いい年をした男らが、人を選別して食い物にしてる村だな。後は賭博場に、酒場に宿屋にギルド?が主の様だが…」


 なんで、ギルドがある?

 ギルマスとか居るよな?

 おかしいだろ?……まて、闇ギルドか?


「…ほんに、屑よのぅ……。我は、人間はもっと知性があると思って居ったが……。勘違いだったかの?」

「オルタ、一部の…こいつらみたいな人間は多いが…。俺らを一緒にすんなよ?」

「それは大丈夫だ、我はルークの理解者だからな」

「……それは礼を言うべき?」

「嫌、要らんな」

「そう?なら少し見てくる」


 それだけ言ってドアノブに手を掛けると、また性懲りもなくゲルマン達が俺を止める。


「ルーク様、外はルーク様のお目汚しに成ります。ここには、なにも御座いません!」 

「うっせえわ!黙れ屑ども!」


 鑑定で分かってる…ここは殆んど無法地帯だ。

 参った……こんなことを、気づかず4年も見逃してた。


 被害に遭った女や子供は、どれ程居るのだろうか?

 この国境を通っても、地獄が待ってるとか…あり得ない。

 それに、普通の男や年寄りはどうしたのか?

 普通にここを通れた者はどれくらい居るのだろうか?


 父よ視察に来ないで何してたんだ?



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