第19話忘れてた!

 ルークに睨まれたラムセス達は、竦み上がってしまいすごすごと引き下がった。


「ルークよ、そう部下を怖がらせるでないぞ?」

「だってさ!ウオル」

「獣人は主に忠実な者よ、我らにお株を取られて萎縮してるのだ」

「ルークよ、こやつらにも役割を与えてやるとよいぞ?」

「役割ねぇ~何も、思い付かん」

「ハハハまぁ、追々で良いのでは?」

「そうかな?そんなもんか?」

「それより!主、我に名を付けろ」


 そんなことと言って、ずいっと俺とオルタ達の間に割って入って来ると、俺に名を付けろと言ってくるグリーンなんちゃら。図々しいったら。


「……と言うか、あんた随分と偉そうなんだが?」

「我は偉いからな。ここの赤いの達とは、違うぞ?」

「な、なにが違うんだ?あんたらの鑑定は、殆んど出来ないから怖いんだけど!」

「ルーまぁ、そう謂うなよ。我ら三人揃うと強いぞ!良い守護になるぞ?」

「自分で言うなよ。全く調子良いな!」

「「「ハハハ」」」

「あんたら…笑ってる場合かよ!そこのグリーンアースドラゴン!お前達より大飯食らいだろが」

「そんなことはないぞ!……多分」


 全く……あんな魔物持って来やがって。

 んだよ!リメンダーマイマイ……って、なんだよレベル250もあるじゃんかよ!何処にも持ち込み出来ねぇ。


「はぁ仕方ないなぁ……なら、名付け?だな」

「おお、頼む」

「なら………そうだなぁ~。カーストって、どうだ?」

「……むぅそれは気に入らん! 違う名が良いぞ」


 だ、ダメだし食らった!


「な、なら………ナルスは?」

「ふむ……ナルス……ナルスか。……まぁ良いだろう!今日これからは私はナルスだ!」

「オルタ、後は頼むな」


 後は屋敷に部屋を用意か……実に面倒だ。


 ドラゴンの名付けが、終わらせて一息付くが……、俺も食事をしてないことに気がつく。

 ウオル達は放って置けば良いので、俺も食事をすることにするが……。

 今更ながら…なにかを忘れてる。

 なんだっけか?思い出したくもないのでその引っ掛かりは、頭の片隅に追いやった。


 しかし、直ぐに思い出す事になる………。


(メッセージ!ルー!ルー)

(ん………はい?エル兄上……ですか?)

(そうだ……)


 ん?なんが不機嫌……じゃね?


(な、何ですか?随分と御機嫌がな斜めなような……)

(っ!当たり前だろ?ルーお前……ライン置き去りにしたな?)

(あ!あぁ、それだ!)

(う、煩いぞ。大声を出すなよ!)

(アハハすみません。なにか忘れてた気がしてたので……今スッキリしましたよ。兄上)

(はぁ~お前……、少し緩んで無いか?)

(そ、そうですかね?ただ単にラインを連れて行くのが、面倒だったんですよ。自分は何も出来ない癖に、過信してる奴は嫌いなので)

(フフフ。まぁ、そう謂うなよ。ルーそれで……一度此方に戻ってこい!ラインが騒いでる)

(むぅ……分かりました。戻りますでは後程)


 くそ!折角、飯にしょうと思ったのに…。


「ラムセス、サクロス!オルタ達」

「なんだ?」

「な、何でしょうか?ルーク様」

「お前ら……一旦ここから城に戻るが、どうする?」

「おや?なんだ、諸国漫遊の旅ではなかったのか?」

 諸国漫遊かぁ~なんとも憧れる言葉だなだが……。


「オルタ俺は、そんな事は一言も言ってないが?」

「おや?そうだったか……それは残念だな。ハハハ」

「ま、まぁ、それは後で話そう。それでどうする?ここに残るか?」

「そうだな……お前は城に戻ってどうするのだ?」

「ラインを迎えに行くだけだ」

「なら我らはここに残ろう。ナルスの洞窟には、未だ鉱石が残って居る。それを堀出して居ようかのぉ~。それに、ラムセス達にも少しやらせよう」

「そうか……ラムセスお前達どうする?残るか」

「は、はい!」

「そう……なら、オルタ任せる。だが、くれぐれも無理はするなよ?」

「わかって居るよ、早く行って戻ってこい!」

「了解!」


 それだけ返事をするとルークは、瞬間移動をして城のエントランスに戻った。

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