第12話 出された料理の半分は持ってくぞ!

 影達と念話を気って「ふぅ~」一呼吸した。


「どうした?主」


 俺の溜め息に反応をするオルタ達に「嫌、何でもない」と答えた。

 なに?なんか心配されてるのか?俺が?


「そうか?念話を使って居た様だが?我らとも繋げるか?」 


 あっ違った……そっちね?ってか念話……探知出来るんだね。


「え?念話をオルタ達は使えるの?」

「お前が出来るなら、我らも出来るぞ?何を言ってる」


 あぁ~そうでしたねぇ~元はドラゴン……何でも出来るってやつね。

 便利だなぁ~。


「後で繋げるか?しかし……ルークよ腹へったぞ!」


 その一言で、皆の腹が「ぐぅ~」と鳴る。


「ハハハ。ソロソロ食堂へ移動するか?なんか出来てるかもしれないぞ?」

「そうか?それなら早く行くぞ!」

「早く行くぞ、主!」


 オルタ達に急かされて食堂に向かう。

 念話の話しは何処に?


 食堂に入ると、料理がテーブルに所狭しと並べて置いてある。おお!ゼスタってば頑張ったねぇ。

 サリーも、他のメイドに指示をしながらバタバタ仕事中だ。

 そんな中に俺達が食堂に入ると、サリーが気がつき俺に挨拶をしてくる。


「あ!おはようございます。旦那様!」

「サリーおはよう。朝からすまんね?」

「いえ、飛んでもございません。今お声を掛けに行くところでした。申し訳ございません」

「構わないよ?で、それは…全部俺達のか?」

「ええ、オルタ様達が多く食べられますので……この量だそうですよ?」

「昼食として、持っていく分もここにあるのか?」


 テーブルに乗る料理を指さす。


「ええっと……それは……どうでしょう?」

「おい!オルタ、ウオル。お前らどれ程食べるんだよ!」

「おお!ここにある。料理全部は朝飯だ!」

「ま、待て!それなら、俺達の分は?」

「おや?食べるのか。なら一皿位なら別けてやるぞ!」


 こいつら…偉そうに言いやがる。


「ってか!お前ら食い過ぎだ!食うのは半分にしてくれ」

「それは何故だ?」

「此れから暫く屋敷に帰って来ないんだよ!旅に出るのに食料ないと困るんだ!」

「なに言ってる!お前の……」 

「最近増やしてないからな、あんまり在庫が無いぞ!」

「真か?」

「だよ!」

「それはいかん!ルークの、料理が食えないでは無いか!早くなにか作れ!ルーク」

「煩い!俺はお前らの使用人ではないぞ?」

「お!そ、それはすまぬな?しかし……」


 飯ごときでそんなに悩むなよ!面倒だなぁおい。にしても……飯で悩むって…ハハハ。


「分かった半分残す」

「よし!なら、全員で飯食って出掛けるぞ!」

「サクロス達は?支度は出来てるのか?」

「はっ!着替えとかは……入ってます。お借りしてる鞄に」

「そうか?良かったよ。なら飯食ったら出掛けるからな」

「「はい!」」

「おい!ウオル、オルタ」

「何だ?」「ルークなんだ?」

「ここの料理、適当に仕舞って良いのか?」

「「おう!構わんよ……お、これも旨い!ムグムグ」適当に仕舞え!」


 食べるか喋るか……あ!俺が話し掛けたか……。

 それにしても……ゼスタ張り切ったなぁ~。

 ここは礼の一つでも言ってから出掛けるか?


 その前にどれ俺も一口…ムグ………。

 更に乗るキッシュらしき物を一口摘まむ。お!旨い!

 朝飯を食ってると、ゼスタが料理を片手に持って食堂に顔を出した。


「おう!サリーこれで全部だ!ルー坊っちゃん……おや?」

「おう!ゼスタ。おはよう」

「坊っちゃん、おはようございます」

「おう!悪いね朝から」

「いえ、朝から驚きましたがね。ハハハ」

「すまんな。暫く屋敷を開けるから……。俺達の分は良いが、屋敷に残る影達や騎士達の食事は任せたぞ?他の料理人達と上手くやってくれ」

「は!畏まりましたよ。ですが…オークや他の肉を何体か置いていって下さいよ」

「今か……今だよなぁ~。なら、厨房行くか……」

「すいやせんねぇ。坊!へへへ」


 なら行くよ行きますよ!


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