第11話 王都の様子が。

 そして、次の日の明け方、……何時もの如くセバスに起こされる。そして俺は案の定寝起きが悪い。お決まりのパターンですよ。


「ルーク様!朝です。今朝は早出を為さるのでしょう?起きないと!もう他の4人はリビングに居ますよ?」

「(えっとなんだっけ?あっ!そうでしたね)……おぉ早いねぇ~。ふぁぁ~。眠いセバ……何時よ、今」

「はい!まだ三時半です………」

「早いだろよ!なに皆張り切ってるの?」


 お陰で目が覚めたぞ!


「だと、思いますよ?オルタ達は特にね。ククク。ゼスタを叩き起こしてましたよ?」

「マジ?」

「です。それこそ、弁当を各種作れと騒いでましたね。騒がしくて私が起こされましたよ」


 それは申し訳なかった……なら。


「すまんねセバ。ほれ、これ飲んでくれよ。後ででも、今でも良いけど。それと俺が留守にしてる時は、ゆっくりしててくれよ」

「これは!ありがとうございます。ですが主が居ない間は結構大変なのです。そうゆっくりも出来ません、アレクの仕込みもありますのでね?」

「アレクねぇ~あいつ昨日俺に付いて来たけど……後で感想聞いておいてくれよ」

「はい。それはもう、後程しっかりと聞かせて貰いますよ」


 後程しっかりね?まぁ、良いか。

 サブの執事も育たないとセバも休めない。


 それから支度をしてセバと二人でリビングに向かう。


「よう!おはよう。オルタ、ウオル。サクロス、ラムセス」


 ソファーに座る4人に、挨拶をしてからソファーに座るとオルタ達が話しをしてくる。


「お、来たな。主!待ったぞ」

「「おはようございます。ルーク様」」

「お、おう。待たせたか?皆朝飯は?」

「まだだ!ゼスタが今作っておるぞ!」

「そ、そうか……セバ。これ後でゼスタに渡して置いて」

「了解しました。ククク。ゼスタも気の毒ですね」


 ゼスタ用の体力回復ポーションをセバスに渡す。


「だな。後で謝るよ。全く………で、食事まで少し時間があるな。皆自由にしててくれ」

「おう。その前に今日から何処に行くのだ?ルーク」

「それなんだが…あ!少し待っててくれ。ちゃんと説明するから」

「どうした?」

「少しだけ、待っててくれ」


(メッセージ!バルマ。おはよう)

(………誰………)

(おはよう?バルマ君)

(…………おはよう………ってルーク様ですか?)

(そう、俺だ)

(朝から良いお声で。おはようございます。それで?)

(お褒めいただきありがとう。でな?)

(はぁ?)

(昨夜父上と相談したぞ)

(そうでしたか……)

(でな?父上からOKが出た。足が付かないなら殺れとの事だ。それから、父上の影を交替で向かわせるそうだから、父上の影と合流出来たら戻ってこいよ)

(マジですか?)

(マジ!だからあの薬使え。出来るか?)

(出来ますよ……ゆっくりと時間を掛けてね。眠って貰います。チェスコも、喜びます。ところでこんな朝早くどうしたのですか?珍しいですよね?ルーク様、朝弱いのに……ククク)

(煩いよ?バルマ。此れから暫くは金を稼ごうと思ってな)

(え!ずりぃ~。俺もチェスコも、金欠ですよ!)

(んな、別けねぇだろ?)

(なに言いますか!王都は、最近物価が上がりっぱなしですよ!宿に泊まるにも、金貨一枚も掛かるんすよ!)

(マジ?ならお前、いまどこよ?)

(今は王都近くの森に野宿です。ルーク様から借りてるテント住まいですよ!宰相様が代わりましたからね。平民は皆苦労してます。貴族重視の贅沢三昧ですね。何処かの国に、戦でも仕掛けられればすぐに潰れますよあれでは)


 ふぅ~ん。なら潰れれば良いけど……民達には気の毒だ。

 難民で領地に流れて来るなら、保護はするが……。

 それ以外は………手は出さないでおこう。

 後は父上達の政のやり方だろうからな。


(そうか……それは、苦労するなぁ。ま、父上の影と交替したら休んでくれ)

(休みは?どれ程貰えるのですか?)

(どれぐらい欲しいの?)

(三日で良いです。そのあとルーク様達と合流させて下さい。)

(それは良いけど……なら。後で連絡寄越せよ。狩り場で合流するから)

(了解です。それでは!)



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る