第9話 箱入りなんだなこいつ!

 良いのかなぁ?ってかさ、お荷物なんだけど……。

 オルタ達連れて、洞窟行こう思ってたのに計画変更か。

 …何とも面倒だな。


 むぅ…………。


「どうしたのだ?ルー」

「いえ、ラインを連れてとなると……何処に向かおうかと思いまして。ギルドで冒険者登録させても、本当によろしいのでしょうか?伯父上」

「ああ、構わんよ。騎士に稽古と言って、無理な稽古を着けて騎士達を潰されても困るしな。それなら稼いでくれた方がましだ!あいつは騎士に無理を言い過ぎると、苦情が出てるのだよ」

「ほぅ……。(ラインの癖に?)なら、少し手荒くてもよろしいと?」

「良いぞ!死ななければな。それに、手足が胴体に付いてれば、手荒にしても一向に構わん!」

 

 すると、執務室の扉が突然開いてラインが部屋ずかずかと入って来る。


「父上、お呼びと聞いたが……なん…で…」

「来たか!ライン」

「ええ、呼ばれましたのでねなんですか?」

「お前、明日からルークと同行しろ。暫くルークに付いて、お前も金を稼いでこい!この穀潰し」

「なんですか?いきなり呼び出して穀潰しとか?酷くないですか。父上」

「酷くないだろ?働かざる者食うべからずだ!只でさえ我らは、ガウルに世話になりっぱなしで、肩身が狭いのだからな」

「そ、それは私もですか?父上」

「当たり前だろ?カミル。お前ルークに随分と贅沢な物を、ねだったらしいではないか!あれの礼は、ちゃんと考えてるのだろうな?ん?」

「そ、それは……」

「伯父上?それは構いませんよ?今後カミル従兄様に、おねだりされても聞きませんし。エルク兄上の力に為って頂ければ?」

「すまんなルーク。グレイスの件でも、ルークに迷惑を掛けているのに!と、言うことだ!ラインお前は働け。これ以上、騎士達に威張り散らして、奴らを使い物に為ならない様な訓練を強いて。奴らをずたぼろにされるのは困る」

「父上……申し訳ありません。ねだり過ぎたようですね。ルークのお礼は考えます。ルークすまないが少し待っててくれるかい?」

「いえ、別に構いませんよ?礼はね?無理を言って来なければ?」

「うっ……すまない」

「父上、私も申し訳ありません。それで?ルークに付いて行けば良いのでしょうか?」


 なんか偉そうだなラインの癖に。


「ああ、そうだ!」

「で?ルーク何処に行くんだ?」

「城下の町で冒険者登録してから、適当に依頼を受けてからだな場所は。だが、一週間考えてるからな?その間はここには戻らないぞ?」

「ち、ちょっと待った!一週間だと?ルーク」

「ええ、それぐらいは覚悟してくださいね?伯父上?どうしましたか?やはりラインを連れて行くのは止めますか?」

「ご、護衛は?」

「はぁ?」

「だから、ラインに護衛は付くのか?」


 あ!駄目だ。

 この箱入り連れてけねぇ~!


「付きませんよ?影を付けるのは構いませんが……。目立つ護衛等は付けませんよ?行くのは私の従者4人のみですが?」

「ククク。伯父上、民達の元に行くのですよ?仕事はギルドの仕事です。簡単な仕事をする訳では無いのですよ?それを割りきらないなら、その者は冒険者には向かない」

「そうです。自分は貴族だと謂い、偉そうにしていると民達から反感を買うのです。ですから、護衛なんて着けたら仕事にならない!」


 ま、中には居るがな……あんな者、下位のランクで威張り散らすだけで何の役にも立たない。

 




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