第8話 謝罪とお荷物。

 父上のとの話が終わり、マップを確認すると何故か兄上と、カミル従兄と伯父上がここ向かってるけど…なんだ?


「あと………父上」

「なんだ、未だあるのか?」

「実は私の屋敷の遊戯室に、従妹が乱入してきましてね?」

「………それで?」

「あの部屋を、伯父上に見られて仕舞いました」

「なに?……結界は?張って無かったのかルーク」

「嫌、ちゃんと張り巡らせてましたよ。きっちり抜け目無く」

「…それを突破してきたと?」

「ええ、凄い勢いでね。兄上が一緒に居ましたから、後は任せましたがね?詳細は兄上にお聞きください」

「分かった。……しかし困った。義理とはいえ兄だからなぁ。あまり勝手な事をされても困るが……此方は強く言えんのだ」


 そんな弱気の話をする父。

 すると、執務室の扉が突然開く。


【ばん!!】


「ひぃ!」


 と少し驚いて、父上が突然開いた扉をみる。

 俺は知ってたので驚かないぞ!


「何を言うのだ?ガウル。君がこの国の王に成るのだからな!強く言ってくれて構わんぞ!それに私の娘の乱雑さには、ほとほと手を焼いて居てな。制御が出来なく…すまないと思ってる」


 親子だなぁ……突然の登場は似てるよ。

 急なご登場で、父上が驚いてるぞ伯父上。

 貴方、父を心臓麻痺で殺す気か?

 ……エル兄上ここは伯父上を止めようよ。

 カミル従兄もいるんだからさ、二人で止める事は出来たと思うぞ?


「す、すみません。叔父上、父上を止められませんでした」

「カミルか……。パイル義兄上……、驚いて心臓が止まるかと思ったぞ!」

「嫌すまんな。それにルークも居たのか。ルークよ、娘が重ね重ねすまない。あの娘は、誰の言うことも聞かなくて困ってるのだ」

「でしたら行事見習いで、何処かの修道院にでも預けては?」

「ウム………やはりそれが一番良いか。カミル」

「ええ、一度話して、それでも態度が直らないなら送りますか?」

「伯父上、頼みますよ。全くなんでこう……(ローズといい、母といい、追加で従妹とは。何故勘違いをするのか?)」

「それで義兄上、こちらへはなにかご用でもありましたか?」

「お!そうであった。ガウルを通して、ルークに謝罪をと思って来たのだ。だが、ルークがここには居るとは思わなかったぞ!」

「そうでしたか……。それなら謝罪は受けましたから構いません。それでしたら私はここで失礼をします。あっ!エルク兄上、少しお話しがあるのですが……」

「なんだ、ここで話せないのか?」

「い、いえ、そんなことはありませんが…」


 良いのかここで話しても?


「いいのですか?なら、お話ししますが……」

「構わんよ?ここに居るものは此れから長い付き合いに成るのだからな!ルーク遠慮するな」

「はぁ……そんなにたいした話しでは、ないのですがね?エルク兄上明日から暫く、屋敷を空けますので。宜しくお願いします」

「………預かって居る影達は?」

「それは…訓練だけですから、兄上の采配で適当に」

「誰を連れて行くんだい?ルーク?」

「え、私の従者4人ですが?カミル兄様なにか?」

「そのメンバーに、追加でライン連れて行くこ事は可能かな?出来れば、あのおんぼろを連れて行って欲しいのだけれど」

「は?箱入りは止めたのですか?」

「箱入り?なんだそれは。ルーク」

「え?だって先日までは反対してたでしょ?」

「あぁ、父上に止められていのでね。だが、あれもストレスが溜まって来てるからな。そろそろ、発散させないと爆発する」

「あぁ、そういう……ですが……ラインですか?冒険者登録させても宜しいと?」

「あぁ、構わんよ。あれにも稼いで貰わないとな!ハハハ!無理だろうがな!」


 分かってらっしゃる。

 さて、物に成るかなお試しな感じかな?


「で、ですが、伯父上。私は、明日には出掛けたいのですよ、それでもいいですか?」

「明日か……それは突然過ぎるなぁ……」

「ですよね?なら今回は見送って下さい」

「嫌、明日連れて行ってくれて構わない。おいグランドル!ラインを探してここに」

「畏まりました。お待ち下さい」


 そう言って執事が出ていった。

 マジか…荷物は持ちたくないんだけど。





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