第7話 父と打ち合わせ。
父上の執務室の前までくると扉を「トントン」とノックをすと、部屋の中から返事が帰って来た。
居たんだ……どうやら父上は仕事中の様だ。
父上…お疲れ様です……。
「父上、ルークです。中に入っても宜しいでしょうか?」
「…………ああ、入れ」
父上からの許可を得たので、執務室の中へ入り急な訪問を父に詫びる。
「失礼します、父上急に来てしまいすみません。仕事中でしたか?」
「ルークか、嫌………少しな。で、どうしたのだ?先触れも寄越さず、直接ここに来るなんて……緊急か?」
珍しいと言われてしまったが……まあそうか?
俺は必ず父上達に用があれば先触れは出すからな。
「ええ、王都に向けている、影から聞きましてね?」
「ああ、影達とは別行動させてたな…そういば。すまぬ、忙がしくて忘れてた。少々人が足りなくてな。クレマンドと相談して、先日影達をこちらに戻したのだよ。すまん、お前に連絡するのを怠ったな」
「………それで?今ですか……。仕方ありませんね、お忙しくしてらしたのでしょうから?」
「ハハすまんって、お前の母………リエルの送還の護衛をな。離縁をするはといえ、途中で死なれでもしたら夢見が悪いのでな。まぁ、二、三人影を付けるだけで、そう仰々しい隊を組む訳では無いがな。なのであっちは、一旦お前の影達に任せた」
ほほぅ……実家ねぇ~、ってか実家ってどこだったか?旧姓は………忘れた。
「そうでしたか」
「で、何かあったか?」
「ええ、あ!その前に遮音結界!これで話せますよ。父上」
「お、すまんな。で?」
「……実は、王都に居る見張りの影が焦れてまして。奴には自然に眠って貰いますか?」
「それは構わんが……足が付かないか?」
「大丈夫てす。私の影ですよ?父上。それも隊で一番優秀な人材です」
「そ、そうか……なら良いぞ!命を取るのは今は不味いが、眠って貰うなら構わんよ。いまは、戦に成っても困るしな」
そのまま自然に息を引き取ってくれるなら、なお宜しいねぇ~。
……病死扱いに成るだろうし。
と、腹黒な事を言い出す父上だが…。
まぁ、俺もそう思うので何も言わないようんそうしましょう。
「でしたら、直ぐに連絡をし行動に移させてから帰還させますが宜しいですか?奴らが、帰りだがってましてね。纏まった、休みを取らせたいと思ってますので」
「そうか……。なら、事を起こした後の代りを派遣しないとなぁ~」
適任者要るかな?
「よし!それなら構わんぞ!クレマンドに伝えて、代りの者を回させる。それ迄待てと伝えてくれ」
「分かりました。それではその様に伝えて置きます」
ここで俺は一度結界を解除した。
漏れてまずい話はこれで終わったからな。
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