第6話 サブ執事…アレク。

 兄達を残して俺はリビングに戻る。

 そして、オルタやラムセス達に事情を説明する。


「すまんな、せっかく皆で楽しんでたのに…。馬鹿な従妹が」

「……従妹様でしたか。我々を見ていなかったので、別に気にしませんが。ルーク様は大変そうですね?大丈夫なのですか?」

「まぁ、大丈夫だろ結界を強化するし、叔父上には兄上が抗議するだろうしね。さて、そろそろ遊んでないで、明日からまたギルドで依頼でも受けるか。オルタにサクロス達も行くだろ?」


 従妹に会いたくないからな暫くは屋敷に居たくない。


「セバ暫く屋敷を留守にするよ後は宜しく。ゼスタに言って、影達の食事は肉を多めに出しくれと伝えてくれよ」

「……承知しました。お出掛けの日数は?」

「ん~、一週間程度か……多分」


 宿屋に部屋を借りても良いかな。


「ですが………」

「なに?」

「エルク様にちゃんと、了解を得た方が良さそうですが?」

「…………そうだった。後で行ってくるよ」


 影達を任せてるからな……。

 任せっきりで一週間居なくなるのは……。

 兄上が怒るか?

 そう言えば………。


(メッセージ!バルマ)

(………はい。なんですか、ルーク様)

(お、御機嫌斜めだが。どうした?王都に居ないの?)

(居ますよ!王家の三男がしぶといんですよ!全くあのくそ王子、殺して良いですか?)

(足が付かないなら良いけど?)

(やった!突然死で片付けて領地に戻ります!)

(あ、でも………父上の影達は?)

(あの方達なら、他の仕事で別行動です)

(………ふぅ~ん。なら殺すのは不味いなぁ……どうするかね……)

(ええ!未だ屋敷に戻れないんですか!チェスコだって、そろそろ痺れを切らして文句言って来ますよ!)

(……分かった。少し待てよ?連絡するから待機しててくれ)

(了解しました。早めにお願いします)

(おう!)


 ふむ……不機嫌丸出しだったな。

 イライラしてたなぁ~これは不味いな。


「セバ、オルタ達の飯宜しく。俺は父上に会ってくるから。あと、イールも任せる。イール」


『ピィ~。呼んだ?』

「あぁ、ここで大人しく待ってろよ?少ししたら飯だ」


『ぴぃ~ごはん!』


「でしたら、アレクを連れて行って下さい。今呼んで参りますので」

「分かった。オルタ達悪いが、少し飯でも食べて待っててくれよ。話しを纏めて来るから」

「………無理するなよ?我らはいつでも良いぞ。ここの飯は旨いからな」

「すまないな。コロコロ予定を変えて。でも明日からギルドに行きたいのは、変わらないからな?」

「了解したぞ」

「イールなら我に任せろ!」


 暫く待つと、アレクが緊張した面持ちでセバスと一緒に部屋へ入って来る。


「お、お待たせ致しました。ルーク様、私をお呼びでしょうか?」

「あぁ、呼んだけど……」

「な、なんでしょうか?」

「まっ……良いか。なら父上の所に行くから付いて来い」

「は、承知致しました」

「………………セバ?(こいつ使えるの?)」

「大丈夫です」


 それだけ言ってニコリと笑う。

 あぁ、お試しなのか……。


「アレク、行くぞ」


 アレクを連れて父上の執務室に向かう。

 この時間時間だからなぁ、多分ここに居ると思うここに居なかったらフォルクス捕まえるか。

 自分の屋敷を出て、城の廊下を無言で歩く。


「アレク」

「は、はい何でしょうか」

「俺の所に来るまでに、フォルクスを見掛けてないか?」

「…………い、いえ。旦那様の所に居るかと思われますが?」

「そうか……」


 なら、執務室に居てくれると助かるのだがなぁ……?

 とりま、執務室で良いかな。


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