第5話 邪魔な従妹。

 遊戯室で楽しんでいると突然誰かが入ってきた。


「何をしてるのだい?ボクと遊ばないで、皆で遊んでるなんて!狡いじゃないかルーク♡」


 其々のゲームを、兄達と楽しんでいたのに、一人の乱入者によって場の空気が凍ってしまう。

 ………はぁ~またか!


「「「「「「「「…………」」」」」」」なんだ?」


「ルーク!狡いじゃないか!何でボクと遊ばないんだい?」


 俺を見てないで、誰に向かって話してるのかな?

 部屋の扉が空くと同時に声を出した?そんな感じか……。

 しかし、俺がここに居る事は誰から聞いたのか。

 そして、何故ここに入れたのか?本当に不思議ちゃんである。本当に結界破れるんだね君。


 全く勘違いご令嬢が………、一体何なのだろうか?あの子は……謎だ。カミル兄様は別だな、ライン未だ良しとしよう。

 だが……あれはいただけない。


 すると、エル兄上がルイスに指示をだしたのか部屋から出ていった。


 俺は認識阻害を一瞬で掛けて兄上に話し掛ける。


(メッセージ、兄上)

(………なんだ)

(どうしますか?あれ)

(今、カミルを呼びにルイスに行って貰った。お前……あぁ認識阻害か)

(ええ、面倒なのでね?)

(しかし結界はどうした。ルーク)

(ちゃんと張ってありますが……。何故か発動してないか、すり抜けたか……分かりません)

(最強じゃないか……)

(ええ、ある意味凄いですよ)

(仕方ない解散するぞ!)

(分かりました。従者達を連れて逃げます)

(私はカミルを待つが……お前もカミルを待った方が良さそうだ。そのまま待てよ)

(了解です)


 俺はオルタに近付いて行き、オルタにそっと話し掛ける。


(オルタ。小声で話せ)

(おお、ルークかどうした。というか、あれはなんだ?)

(いや、問題児が来たので逃げるぞ。ウオルと先に部屋を出てくれ)

(……分かった。なら出ていこう)

(悪いな後で話す。そっと出ていってくれ)

(厄介だな……)


 それは言わないでくれ……俺が一番そう思ってるのだからな。

 そして、オルタ達がそっと消える様にして部屋から出ていく。

 その間も乱入者は騒いでいる。


「ルーク何処だい?何故隠れてるのかな?君はボクと遊ぶんだよ~!」


 なんだがセリフがスケベ親父の様だ。

 気持ち悪い………。


 そして、ラムセス達にも近付き話し掛ける。

 オルタ達と同じセリフを言って退室させた。


 その間、人が減った事に全く気付くこと無く騒ぐだけ騒ぐ。俺が目の前に現れたらどう行動するのか?


「ルーク何処だい?あ!お前、ルークは何処だよ知らないかい?」


 あ!エルク兄上にお前とのたまったたよこの子………。

 常識がないのが確定!


「反対に聞くが、お前は誰だ?人の屋敷で何を騒ぐ」

「あんたこそ誰?ここはルークの屋敷だろ?」


 あ!会話になってない……どうする?俺が出るか。やっぱり………。


(兄上……大丈夫ですか?)

(な、訳があると?ルーク)

(………無いですね……顳顬の血管浮いてますよ)

(それは、誰の所為だと思って………。いや、お前の所為ではないな……すまん)

(いえ、ルイスとは連絡取れましたか?)

(ああ、今カミルと此方に向かってるそうだ)


「ルーク!ルークは何処、隠れてるのかな。出て来なよ、僕と遊ぼう!邪魔なローズがいなくて、精々してるんだからさっ!」


 ローズと違う意味で、うざいな……あれ。

 消して良いかな?


 そうしてる内に、ルイスがカミルと伯父上を連れて戻ってきた……。

 伯父がこの部屋に来てしまった。

 ……この部屋は、俺の家族とカミルとラインしか教えてないのに……。

 …………ルイス、お前!


(兄上……ルイス……おれは馬鹿ですか?)

(すまん。多分だが、断れなかったのだろう。私が急かしたからな。後で謝罪させる)

(そうですか、でしたらあとは任せます。私はこれで。この部屋は後で封鎖します。落ち着いたらご連絡下さい)

(分かった。後で謝罪させる両方にな)

(なんなら、母上がいる建物に隔離も考えて下さい)

(わ、分かった。後で見学させてみるのを提案するよ)

(ええ、是非)


 そして俺は、その場から離れて姿を完全に消した。

 後の事は残った兄上に任せる。

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