第7章 冒険者ルーク

第1話 影達の訓練。

 さて、オースの件から数日後。


 俺はと言うと、兄上と兄上の影達と自分の影達を引き合わせて俺と兄上は、影達の訓練の視察中である。

 そして、相変わらずイールはルークの肩に止まっていて大人しくしてるが……。流石にそろそろ離れて欲しい。とは、思っている。


「兄上……本日は宜しくお願いします」

「ああ、まぁ、俺が訓練を指示する訳では無いがな?ククク」

「兄上、隊長は?」

「ほら!あそこに居るぞ呼ぶか?」

「ええ、取り敢えず挨拶はしたいですね」

「なら呼ぶか……ルークまてよ?」


 エルク兄上に待たされる事数分。

 バタバタと訓練所から走ってくる影が二つ。

 そして、兄上と俺の前に兄が呼び出した隊長と副隊長が前に立つ。


「お呼びでしょうか?エルク様、ルーク様」

「ああ、済まんな。ルークが、お前達に挨拶をしたいと言ってな」

「い、いえ。私達に等……挨拶は要りませんよ」

「そうは、行かないだろ?アクベル君が、隊のトップだからね。それに、私の隊が世話に成るんだ。挨拶はしておかないとな?今日から一週間宜しく頼むよ。特に一人、腑抜けが要るからね、私の隊は……」

「ハハハ。聞いて居りますよ。何故か主に対して、相応しくない態度を取る。と言う子供が居ると伺って居ります」

「そ、そうか?なら頼むよ。奴の態度が少し変われば有難いがね?」

「……それは……また別の難問ですが…?」

「ま、しっかりと、脅かしてくれればそれで良いけど……」


 まっ、これで態度が直らなければ考えるし……。


「さて、そろそろ時間かな?ルーク挨拶は、もう良いだろ?」

「えっ!あぁ大丈夫です。お待たせしました。ならアクベル隊長宜しく頼む」

「は!畏まりました」


そして、アクベルが影達の元に戻り早速訓練が始まる。


「兄上……いつ迄、あれを見ていれば?」

「そうだね……私たちが見ていると奴らもプレッシャーが、掛かるか……」

「まっ、私の隊はその方が良いですがね。フフフ」

「お前……なら、肩慣らしして来れば?」

「へ?」

「俺は、お前の戦う姿は余り見ないからなぁ~。是非観たいな!よし!少し待て、俺の隊と少し剣を併せてみろ」

「な、なにをまた無茶な!私が剣を振るったら……」

「まぁ、そう本気に成らなくても良いだろ?俺の影を潰さない程度なら、多少相手してやってくれ」

「はぁ………」


 また………無理を言ってくれるね兄上。


「ほら、影が迎えに来たぞ。ククク」

「兄上……貴方は。全く知りませんよ?なら、イール預かって下さい!」


(イール)

『ピィ!なに主』

(エルク兄上と一緒にここに居てくれ)

『ピーィ。いやだぁ~だから空飛んでるぅ。エルク怖い………』

(そうか?ならそうしててくれ)


 そして、イールが俺の肩から飛び立ち空に舞い上がって行く。


「なんだ?イールは?空に逃げたか?」

「ええ、空から見てるそうですよ?」

「失礼します。ルーク様が、我々と剣の手合わせをして頂ける。との事ですが?宜しいのでしょうか?」

「ああ、構わない。なぁ?ルーク、頼んだぞ」

「ハイハイ…分かりましたよ?セイ宜しくな」

「はい!」


 俺は渋々……練習場の中央に向うが…ホントに良いのかねぇ…。

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