第61話 ざまぁ……4 終

 目の前にルークの冒険者カードが投げつけられた。

 だが、投げつけられた冒険者カードを見てもオースには意味が判らなかった。

 勿論オースは………字が読めないのだ。


「………チッ」


 おや?舌打ちしたか?こいつ…それなら…。


「あぁ…すまん、すまん。ハハお前は、字が読めなかったな?ハハハ」


 オースの側に近寄り、冒険者カードを拾って元の場所に戻る。


「っ……くそ!」

「て、事だよオース。お前はこのまま破滅だ。ざまぁみろ!ハハハ」

「糞!が、舐めやがって。ルークの癖に!」

「舐めてるのは、お前だろ?なら見せてやるよ?ちょっと前に狩った獲物……ほら!」


どさりと、ルークが以前に狩ったサイクロプスをイベントリィから閲覧の間に出した。


「ひ!」


誰?驚いたのは?あ!伯父上ね……まぁ、言い牽制に成るかな?


「どうだ?オース。これ俺が仕留めたんだよ!」

「………化物だ!お前が化物だろ?なんでこんな奴野放しにしておくんだよ?貴族様はよ、頭が可笑しいのはお前らだ!」

「ふぅ~ん、お前そういう暴言を吐くと本当に、極刑だぜ?ここで首から下が離れるが、それで良いのか?」


と言いながら邪魔なサイクロプスを、イベントリィに引っ込めた。


「お前……なんでそんな事が出来るのに、俺らの役に立つ事をしなかった!してたら……」

「してたら?もっと好き勝手に俺を使えた?使って使い潰せた?だよなぁ~」


 人をあれだけこき使いやがった癖に何が役に立てよだ!


「……チッ」


 舌打ちなんざするなよ!ムカつく。


「お前の考えなんて直ぐに分かるんだよ!屑」

「さて、もう種明かしもしたしな。終わらせるぞ?ルーク」

「ええ、すっきりしましたよ。父上、お待たせしました後はお任せします」

「分かったでは、沙汰を下す。其奴……オースと言ったか……?名前を口にするのも腹立たしいが!其奴は犯罪者奴隷に落とす。そして鉱山で、5年強制労働させた後に。エンケルの町に戻し斬首し、その首を晒し首の刑に処す」

「い、嫌だ!俺はなにもしてないだろ?な、ルークお前は知ってるよな?俺はなにも悪いことはしてないだろ?」

「……なにもしてない?だと?笑わせる。俺が居なければ、お前らとっくに無線飲食の常習犯で捕まってたんだよ。挙げ句に、恐喝罪でも捕まってるんだよ!依頼に見合わない生活が出来たのは、俺のお陰だろ?その俺をお前は半殺しにして、パーティーから放り出したんだ。当たり前の処分だろ?」

「嫌だ!ルークな、俺ら仲間だろ?た、助けろよ、なっ?俺が悪かったからよ、なっ!」

「沙汰は決まった!兵士達!こやつを牢へ連れて行け!」

「「「「は!」」」」


 兵士がオースを囲み、オースの手首に嵌まる枷を引いて謁見の間から出ていこうとするが、オースが大声で俺に助けを求める。


「やめろ!ルーク助けろよ、おい。お前は仲間だろ!」


 仕方ない……一応答えてやるか?


「仲間だと…誰がだ?おい!早く連れていけ目障りだ」

「「「「は!ルーク様」」」」


 そしてオースが何かを叫び、城から出されて町の独房に押し込められる。


「出せよ!ここからだせ!」

「煩せぇ!黙ってろ!お前は明日には鉱山行きの馬車に乗るんだよ。屑!後で奴隷商が来るからな、お前の首と腕に奴隷紋が刻まれる!楽しみだなおい!ククク」


 牢屋の鉄格子を足で蹴られて煩せぇ!と怒鳴られ、自分の行く末を説明されたオース。

 それでも納得せずに……ま、誰でも納得等する者は居ないが………。

 ここから出せと叫び!暴れ、抗う。だが誰もオースの言葉には耳を貸す者もいない。

 兵士達の仕事は、淡々と続けられオースは檻に入れられ、奴隷紋がオースの首と腕に付けられた。

 そのあと荷馬車で鉱山に送られて行った。


 オースはこの数年後に、鉱山で起きた落石事故で命を落とすことになる。


その知らせを、ルークに知らせられたが、あまりルークには関心もないので流される。


 だが…オースが事故死したのは、ある意味エンケルでの晒し首よりは良かったのかも知れない。



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