第56話 ドラゴン達のお出かけ。

 次の日の朝いつもの如く、セバスが寝起きの悪いルークを無理やりお起こし、色々と試みてやっとルークが起きる。(一苦労ですねぇ……)


「ふぁ~。セバおはよう。最近起きても身体がダルい……。年かな?」

「ルーク様が年なら、私は老人ですかね?ククク」


 自分の支度をしながら、年の話を持ち出してしまったな……。


「お、おっと、これは失言だったな。さて食堂に行くか……」

「ええ、そうしてください。オルタ殿達ももう居る筈ですよ」


 食堂に来ると、二人と一匹が黙々とテーブルの上に乗せられている、大量の料理を胃に流し込んでいる光景を目にした。

 お前ら……朝から良く食うね?


「二人とも、おはよう。それと……イール?」

『ぴぇ~。ご主人だぁ~!ごしゅじん~!怖かったよぉ~!ピィ~』


(どうした、飯くっだんただろ?)

『食べた。けど~怖かったよぉ~。ドラゴン怖いぃ~。食べた気がしないよぉ~!』


 イールが俺の肩に飛び乗り、頭を俺の頬に擦り付けてくるので、その頭を俺は撫でてやる。

 つうか、あれで食べた気がしないんだな?


『もっと撫でて……。ボク言うこと聞くよ……』


 なんだそれ?


「オルタ、オウル。こいつになにしたんだ?自棄に怯えてるぞ?」

「なにもしておらんよ?そやつが、勝手に我らに怯えて居るだけだ。そんなことより、主よ!今日はどうするのだ?」

「ん~、今日はすまん。お前達二人は屋敷で、一日待機しててくれよ」

「おや、何かあるのか?」

「あぁ、少し用があるんだ」

「そうか……なら、少し出掛けて良いか?」

「良いけど……なに?暴れるのは勘弁だけど」

「暴れないぞ!我は秩序ぐらい弁えてる!」

「そうだぞ、我らに失礼だ」

「おっと、すまんね。で、何をするのだい?」

「なにもせんよ?暫くねぐらに戻ってないからな、確認しに行くだけだ」

「なに?なんが心配ごとかい」

「ま、ルーク。お主は気にしなくで良い、我らは明日には戻るよ」

「そう……なら、気を付けて行ってくれよ」

「フフフ。ドラゴンに気をつけて?等というのはお主ぐらいだ。ではな、少し留守にするぞ」


 ドラゴン二人は、食事が終わったのか?席を立って食堂を出ていった。


「あの二人出て行かれましたが……大丈夫ですかね。ルーク様?」

「さあな。何か思うところがあるのだろ?さて、俺も食事して支度かな?セバ」

「ええ、お支度しましょうね……フフフ」


 なにその笑いは?怖いんだけど……。

 セバスさん?俺……なにされるのかな?


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