第26話 セバスの心配。

「さて、ルーク様……」


 セバスはルークの肩に、手をあてて軽く揺さぶるがルークはまったく起きる気配がない。


「これは……困りましたね。随分とお疲れの様ですね……?」


 仕方有りませんね……暫くこのまま眠っていても支障は無いですかね。

 そう呟いて、ブランケットを持ってこようとリビングを出ようとすると、リビングに人が入ってくる。


「ルークは、ここに居るのか?」

「ルーク!」

「(お二人とも……少しお静かにして下さい!ルーク様が、お疲れで寝てしまってますので)」


 セバスが、ルークを起こさないように小声でオルタ達に話しかける。


「そうか……それなら仕方ないか……」

「(オルタ殿、声を落としてください、起こしてしまいますから)」

「大丈夫だろうよ!ぐっすり熟睡してるぞ?そやつは」

「お二人戻ってこられてたのですね?」

「ああ、先程な」

「せっかく、夕食を誘いに来たのだがな?寝てしまっては仕方ないか」

「そうでしたか……ですが、先程ゼスタと話してましたから、まだ夕食は時間が掛かりますよ?」

「おや、そうか……なら待つか…。にしてもぐっすりだな?」

「あれは起きないだろな?」

「だろうよ……」

「オルタ殿…ルーク様は今日は?お一人で動いていたのでしょうか?」

「ん?ああ、何時もの事だぞ?魔力が多く使われてるのが分かったからな……」

「我々より、影達の世話が大変だったのではないか?」

「そう………でしたか。所で……明日もオーがの残党狩りだそうですが……ご一緒に行かれますか?」

「我らは、明日も魔物の討伐と聞いてるが?」

「そうでしたか。それは良かった」


 セバスはそれを聞いて少しほっとする。


「どうした?セバス殿?何か心配事でも?」

「いえ、大した事ではありませんが………珍しいのですよ。こうして無防備で、こんな場所で疲れて眠ってしまうのが……」


 私達が普通の声で、話しをしていても起きる気配がないのですね。


「まあ、魔力回復に少し時間が掛かるのではないか?あれだけ休みも余りなく、立て続けに魔力を使っていればな?」

「そう我らだって、あんなに続けては魔力は続かないぞ?」

「そうですか………(ご無理をなさってるのですかね)」

「まあ、暫く寝れば目が覚めるだろう。その頃にまたくるぞ!」

「ハハハ、そうだな!ルークとの飯の時間は楽しいからな!」


 そうですか……なら私も少しここでゆっくりしましょうか?


「それでしたら、ここで少し休むルーク様を見てましょう」

「セバス殿は過保護だの?ハハハ!」

「放って置けば自然に起きようが?」

「そうは行きませんよ。さっお二人はお部屋に戻られてください。支度ができましたら、メイドにお声を掛けさせますから」

「分かった、ではな」

「ええ」


 そしてオルタ達がリビングから出て行った。

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