第9話 やらかしライン。

「失礼します。叔父上?エルクは此方に居りますでしょうか」

「カミルか?入れ!」

「失礼……あぁ、エルクこちらに居たのですか?」

「あぁ、何か用事か?」

「ええ………」


 困り顔で俺と父上を見るがなに?

 あぁ、言いづらいのかな?


「私達は構わないが…カミル席を外すか?」

「カミル?私も構わないが……差し支えがあるなら私の執務室へ戻るか?」

「いえ?そうではないのですが……ルークも居ますしね……」


 え?俺……?


「私なら席を外しますよ?カミル兄様?」

「いや、居てくれて構わないが……」


 何だがとっても、歯切れが悪いねカミル兄上?


「では、恐れながら……叔父上。父上からの伝言です。妹の愚かな行動を詫びると、そして叔母上を彼方の領地に戻したいそうです。伝え辛いのですが………叔母上との、離縁も思慮に入れて欲しいそうです」

「…………承知した。で?カミルよ?義兄上は、来週早々にここへ到着と聞いたが?私が聞くところに寄ると、大所帯での移動との事だか。それについては?何か聞いてるのか?」

「それは………」

「カミル兄上!何処だ~?」


 と言う声と共に、バンと扉が開いてラインが執務室へ乱入してきた。

 何とも……子供な………俺より上だったよな?確か………。


「ライン………」

「あ、居た居た!カミル兄に………」


 ベシリと、ラインの頭を叩くカミル兄様…うんレアですね?


「すみません。叔父上……弟が……」 


 そう言ってまた、ラインの頭を叩く。

 俺的にはおもしれぇ~から許す。ハハハ。


「痛ってぇ~!カミル兄上痛い!」

「ま、まぁ、カミルよ?それぐらいで。ハハハ!相変わらずラインの行動には、脅かされる。ライン?体が鈍って居るなら、騎士団に行って鍛練でもしたらどうだ?」

「……良いのですか、叔父上?」

「あぁ、構わんが……くれぐれも騎士達を潰してくれるなよ?」

「……分かりました!加減はしますよ?それよりカミル兄様?どうやら父上達が此方へ、到着するそうですね?何でも、此方へ移住するとか?向こうの領地は、叔父上に任せると言ってましたね?」

「ライン!」

「え?何………」

「叔父上には、これからその話をするところだったのですがね?私がお願いするんですがね?」

「…………え?マジ」


 ラインが俺の顔を見て確認するが……俺は知らんよ?


「ええっと………失礼しました!」


 ラインが慌てて部屋を出ていった。

 何だったのだろうか?ラインお前……飛んだお騒がせだったねぇ~。

 あれは……後で雷が落ちるな……ライン御愁傷様!


「も、申し訳ありません。叔父上……愚弟が」

「い、嫌、構わんよ?あれくらい……。うちはラインくらいの、やんちゃする者が居ないからね?なんだか新鮮だ……ハハハ!」


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