第8話 今更…。

 執務室に移動して父上達と、これからの話を続ける。


「それで?団長を呼んで?動かすのは?」

「そうだね……元々ルークが指揮していた。4番隊が街の警備を、担当していたはずだ……」

「でしたら……」


 話の最中に扉をノックする音が部屋に響く。


「誰だ?」

「旦那様、失礼しても宜しいでしょうか?」

「フォルクスか?入れ」


 入室の断りを入れると、フォルクスがガルシアを連れて部屋の中に入ってくる。


「旦那様、お待たせ致しました。ガルシア団長を、お呼び致しました」

「お話中失礼致します。ガルシア・エルランお呼びと聞き、馳せ参じました。御領主様、エルク様ルーク様本日は如何致しましたか?」

「あぁ、ガルシアすまんな?」

「いえ、ご領主様。ルーク様、本日はどの様な?」

「まあ、そう固くなるな!」

「はい!」

「……ガルシアを呼んだのは、ルークの指揮する4番隊を動かして牢に居る。オースと言う罪人を、謁見の間へ連れて来てくれと言うことだ。4日後なら色々手続きも済むだろう?」

「………そうですね……でしたらアーバンに伝えまして連れて参ります」

「頼む」

「は!では、失礼致します!」

 

部屋を出ていくガルシアを見送る。


ふぅ~これで役目は終わるかな……。

思えば父に仕事を頼まれてから2年と少し。

長かった様な短かった様な、なんとも言えない時だったが……やっとだな。


「ルー?なに考えてる?」

「え?嫌……長かったなと、思いましてね?」

「まぁ、そうだな。2年か……学園も飛び級して、早々に卒業してしまったしな?すまぬな?ルーク」

「いえ?特段、拘りなどなかったので。別になんとも思いませんよ?」

「なら、ルーもう一度、学園に通うか?ハハハ」

「そ、それは……無理ですね。今更、彼処では何も学べませんよ?」


大学院でもあれば別だがね?

学園を卒業後は、独学で学ぶしかないこの世界!

何せ、貴族の子息と令嬢しか通わない学園なのでたかが知れてる。

あんな場所は『うんざり』である。


それに国の事は、父と兄に任せて俺は気楽にしていたい。


「お前なら、そう言うと思ったよ」

「アハハ?良くお分かりの様ですね?父上」

「まったく……」


そんな話を3人で続けて居ると、誰かが執務室の前に来たようで扉がノックされた。


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