閑話 監禁

 荷馬車に乗せられたローズは、騒ぐのを諦めて冷静に成り檻の中から周りを見ると、お父様が馬に乗って馬車の前を走る。

 エルクお兄様も馬に乗り、お父様の隣を走るのが見えその姿を眺める。

 私は……何処に連れて行かれるの?

 ま、不味いわ!これは……。

 それは分かるのですが……どうにも出来ないし魔法も使えない。


「こんなに屋敷の外は、広かったかったかしら?」


 と、思わず呟いて仕舞った。

 が、誰もローズの問いに答える者は居なかった。

 そして、走った先に見えてきたのは、何か大きな壁があるだけで。

 何がどうなっているのか……、これから何が自分に起きるのか?全く分からない。


「な、なにあれ……それに。確か……この場所には何もなかったわよね?」


 お母様のぶつぶつと呟く声が聞こえてきます。


 そして、門を抜けると小さな建物が有りその前にルーお兄様と、執事のセバスが立って居るのがみえた。


 そうだわ、ルーお兄様に助けて貰いましょう!

 お兄様なら、私をかわいがってくれてるもの。

 こんな無体な事は、絶対に反対してくれるわ!

 きっと私を庇って助けてくれる筈だわ。


「お、お兄様、ルーお兄様!助けて下さいませ。お父様達が……」

「ルーク!お願いよ助けて!私は、悪くないでしょ。ねっ?ルーク、助けなさい!私は、貴方の母親なのよ!」


 私もお母様も、ルーお兄様に助けを求めますが全く声が届いて居ない。

 なぜ無視をされないと成らないの!


 何故を、繰り返している内にお兄様達とお父様が何かを話している。

 三人で、話が終わったのか?ルーお兄様がその場から離れて屋敷に戻って行って仕舞ったわ。


「そこの二人?ここに入れ!」


 兵士が、私達に生意気な態度で声を掛けてくると檻から私達を連れ出され。

 触らないでと、もがくが兵士の力には抗えず小さな家に押し込められる。

 そして、お父様が信じられない話しを扉越しから、私とお母様にしてきたのです。


「お前達はここで暮らせ!面倒はもう懲り懲りだからな!特にローズ、お前は近い内に修道院に入れる覚悟しろよ。婚約も取り消しだ。全く相手に詫びを入れないと………」

「お、お父様!そんな…助けて!私はなにもしてないわ!」

「ローズ……お前は…。バカも休み休み言ってくれよ。本当に、愚かな娘に育って仕舞った…。私はは情けなくて、涙もでんわ!愚か者目が!」

「…………な、なんで?」


 私がお父様の、その言葉に驚き愕然としていると、隣に居たお母様は、エルクお兄様に助けを求める始める。


「エ、エルク!私を助けて、ね?」

「助ける………ですか。私が貴方を何故?」

「助けて頂戴、お願いよエルク!」

「別に、助けてと騒がなくても良いのでは?かわいい娘と一緒ですしね?外に出られないだけで、快適に暮らせますよ?ルークが快適に?暮らせるように、この場を造ってくれましたからね?ククク。(かわいいのでしょ?なら良いじゃないか?)」

「そ、それとこれとでは、話しが違うでしょ?ねエルク!ガウルとルークを説得して頂戴」

「説得?何をですか」

「だから、私をここから出しなさい!と言ってるよの!早く出て頂戴!私は、貴方達の母親ですよ!」

「そうやって怒鳴られても……、誰も助けてはくれないと思いますよ?ご自分の勝手気ままな態度を、改めてくれませんと………。(相手にもしたくない!)」

「父上と話し合いましてね?母上は、暫くここで暮らして下さい。もしかしたら出れるかも?知れませんね。ですから、大人しくしていて下さい。ですが………ルークは、貴女方の顔は二度と見たくないそうです。…残念ですね?」

「そ、そんな………お兄様………」

「………なんですって!」

「では、失礼します。私も暇ではないので。あぁ因みに…私も貴女方を、みるのはこれで最後ですか……ね。二度と顔を見る事はないでしょうから。ではごきげんよう?」


 それから暫くして、ローズは修道院に連れて行かれた。

 母リエルは、未だこの牢屋に一人で居て貰うことになるが………。

 夫婦間の問題だと、誰もその事には触れずに時が過ぎて行く。

 のだが、リエルはガウルから離縁をされて実家に戻されるのだった。


 そしてリエルの実家には……。




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