閑話 ローズマリアと母リエル。 2

 専属のメイドを、早く自分に付けてくれと我が儘を言う娘に、キッパリと【駄目だ】と言う母の言葉に。

 それでもと、我が儘を言うローマリアだが……。


「それは駄目よ?ローズ貴方には、婚約者が出来ますもの。専属のメイドなんて付けられないわ」


 そんなことをしたら、ガウルや息子達が黙ってないものね……。

 ですが……、ガウルに確認していつまでこの状態なのかを、訪ねないとこの子が可哀想ね?


「ですけれど…、お母様。私はまだお嫁になんて、行きたくは無いです!お顔を見た事も無いそんな方とは、無理ですわ!この家を出たくはないですわ」

「でもねぇ………ローズ、貴女は少し我が儘過ぎるわよ?ルークだって、貴女のその我が儘が、嫌なのではないかしら?」


 よく考えてご覧なさいな?

 そう言われても……私の何処が我が儘なのかしら?私程素直な……あら、自分で言うのも恥ずかしいわね?


「ローズ貴女、これからの事をちゃんと考えてるの?それなら、好きにするといいわよ?ですが、大抵の貴族の娘は婚約者がいて、その家に嫁ぐのですがねぇ~?」

「それは、私にはどうしょうもないですわ!婚約者が現れないのは、私の所為ではありませんわよ?先の事なんて……」

「だから、以前から申し込みが有った伯爵家のご子息と、婚約をするのでしょ?」


 そんな……、ルー兄様程美しく完璧な殿方が居りませんのよ?その方はルーお兄様と、差程容姿が変わらないなら話は別ですが……。


「何でですの?余りにも、酷いですわ!」

「これは決まった事です。私は、ローズが困ると思って、急場のメイドを連れて来ただけよ?その事を、少しはお考えなさいな?」

「そんな、お母様!私が何をしたのです?唯執事が、気味が悪かっただけですわよ?」


 嫌な者は嫌なのに?皆そうじゃ無いのかしら?


「今の言葉をルークに聞かれたら、ローズ貴女また嫌われるわよ?」

「そ、そんなぁ~!酷いですわ?お母様。せめて専属のメイドを、連れて来てくださいませ!」


 話の最中に、メイドのサリーがお茶を出してきたのでお茶を一口飲む。

 けれど……何これ?これでお兄様のメイドなの?


「あっ!熱いわ?これちゃんと、温度管理出来てないじゃないの!お母様?大丈夫でしたか?」

「も、申し訳御座いません………(そんなに熱くしたつもりは、ないのですが?)」


 火傷はしていませんか?と、お母様を心配して大袈裟に騒ぐ。

 フフフ、これで私の株が上がるわ。


「大丈夫ですわよ?何をそんなに騒ぐの?貴女過敏過ぎるわよ?サリー美味しいわね?有り難う。流石ルークのメイドよねぇ~」

「ですが……お母様。私は」


 な、なに?それ!まるで私が悪い見たいに言われてるわ?

 あ!それもこのメイドの所為だわ!


「あぁもう良いわ?私は、これから用があるのよ。ローズ、サリーの事は任せましたが、余り無理を言わないようにね?ルークのメイドなのですから(問題は起こさないでね!)」

「はい、分かりましたわ。お母様、また来てくださいませ」

「ええ、またね?今度は、美味しいお菓子を持って来るわ」

「ええ、お母様。お待ちしておりますわね?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る