閑話 ローズマリア。

 父から謹慎を言い渡されたローズは、自室で暇をもて余してした。


「全く………暇で仕方ないわ!マルレイにも会えないし!」


 ローズは、思う。

 全く忌々しいわ!たかが獣人に厳しくしただけじゃなの!と………。

 あんな些細な事で、大騒ぎをするなんて不思議だわ?

 たかだか使用人、それも男で獣人……全く信じられない。

 私は、あいつ(ラムセス)が来ると、気分が悪くて仕方がなかったのに…………と。

 何故私の気持ちを、誰も分かってはくれないのだろう?


「あぁ、ルークお兄様にお会いしたいわ。それに外にも出たい。運ばれてくる食事も美味しくないし………あ!お水が無くなってるわ!お茶も自由に飲めないなんて!不便過ぎるわ!」


 仕方ない……少しお茶を貰って来ようかしら?

 なんで私が、こんな事をしないとならなの?




それから暫く、そんな不便を強いられて居るとお母様が、私のお部屋に顔を出してくれました。


「まぁ、お母様がいらしてくれるなんて、嬉しいですわ。ありがとうございます」

「フフフ、いいのよ?ローズは、かわいい娘ですもの。何か不便はない?」

「お母様!私、不便なんて、言葉で現せないくらい。不便を強いられてますわ!メイドが居なくて、本当に苦労してますよの?何とか成りませんか?」

「そうよね?私もあの時は、言い過ぎて仕舞ったけれど。ローズの身の回りの世話をする、使用人が居ないと不便よねぇ~?」


 頬に手を当てて私に聞いてくる。


「ええ、お母様。助けて下さいませ?どうか、お父様とお話をして下さいませ?」


 こうして、少し泣きつけば助けてくれる筈よね?

 私は、かわいいこの二人の……いえ、両親の娘なのですもの。フフフ。

 あぁ、学園に居た頃が懐かしいわ!マルレイや同学年の他の学友が、私の事を色々してくれたのに……。(命令していたと言う方が、事実なのだが本人は命令していると思っていない)


「そうねぇ~?何も、ガウルに断りを入れなくても、私が何とかするわ。少しお待なさいな?直ぐに、使用人を連れて来てあげるわね?」

「それは嬉しいわ。やっぱりお母様ですわ!私大好きですわ!(普段は怖いけれど………)」

「フフフ。じゃ、少し待ってらっしゃいな?」


 と、言うと、お母様が部屋から出ていって仕舞ったわ。

 楽しみだわ!誰を連れて来てくれるのかしら?

 マルレイなら文句は無いのだけれど……。


 この時のローズマリアは、メイドのマルレイはとっくに、屋敷から暇を出された事は知らなかった。



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