第108話 おや…兄? 何故怒る…?

「ルーク!そんな事を考えてたのか?お前……」

「子供の頃から、人と少し違いましたからね?長男と呼ばれた人からは、大分無体を強いられましたし……ね?私は良く耐えたと思いませんか?妹は、昔から煩わしかったですし?父上とエルク兄上だけは私の味方で居てくれました。それは感謝しかないですがね?」

「だったら問題は、ないでわないか?愚か者達は居なくなったぞ?」

「まぁ、そうですが……では、城の敷地にまた、離れを造って………それとも、離宮を造って、そちらで私は暮らしましょうか?」

「離れは駄目だ!離宮なら?考えようか?でも、お前は俺の弟だ!ゆくゆくは、第二王子だぞ?そのお前に爵位をやって独立?そんなことは、させられない。私の力に成ってくれるんだろう?」


 嫌~それは難しくないかね?

 従兄弟達も居るし……その内に叔父やら叔母に、父方の伯父やらがシャシャリ出てくるぞ?

 あ!だからか?


「ん~~。兄上?私は防波堤に成れと?」

「違うと言ってる!お前……少しは考えてくれ、加護持ちなんだぞ?そんな人材を、雑に扱える訳が無いだろう?そして何より私の弟だと言ってるだろ?」

「………?」

「お前は……普段勘が良いのに……。まぁ、良いよ帰るぞ!」


 兄が少し切れ気味で、城にフライで戻ってしまった。………おや?


「エルクって、魔法で空飛べるじゃんか?」

「ルーク様………貴方案外…(鈍感?)」


 飛べないと言ってなかったか?

 うん!隠してたのか……。


「なに?セバ?」

「いぇ、何でもないです。さぁ、帰りますよ?今日は、どちらへお泊まりですか?御食事は?」

「あ!それな!どうするかね?でも、その前にあそこに監禁する者を連れて………あれ?セバあそこ、人が馬に乗ってこっちに来てないか?」


 こっちに向かって来るよね?

 何とも迅速な……助かるが…。


「おや?あれは旦那様達では?」


 セバスが望遠鏡を、出して城の方角を見てる。

 それがあったね?どれ俺も…………。


「あ!本当だ?兄上と父上?衛兵と?あぁ愚か者二人ね?」


 兄上……たった今、戻ったよな?あれ…?

 しっかし……。

 また、騒ぐんだろうなぁ~聞きたくない。


 あ……っ!そうだ、兄上の側に影はいるか……誰がいる?


「お!兄上の影のセイがいるよ?」

「おや?本当ですね?ですが、どうするんですか?」

「ん?連絡取る!」


(メッセージ!セイ!)

(お、は、はい!誰?)

(俺ルークだ!)


 セイに向かって手を振る。


(あぁ、お久しぶりで御座います。どうされましたか?)

(久し振り。兄上に伝えてくれよ?)

(何をですか?)

(愚か者を部屋に入れたら、鍵を渡すから呼んでくれと?)

(承知致しましたが……ルーク様はどちらへ?)

(一旦屋敷に戻るから、頼むと伝えてくれ)

(承知致しましたが……少しお待ち下さい。主人に確認しますので)

(了解!)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る