第107話 居場所。
「さ、さぁ兄上?中へ入ってみませんか?こぢんまりしてますが?確認してください?チョッとした牢屋風にしてみました。フフフ」
(ルーク様、笑い方が怖いですから!お止めください!)
(そうか?兄上見て見ろよ?平気だぞ?)
(…………)
「分かったよ……なら見せてくれよ?(ルーお前………怖いよ!)」
三人で平屋の一軒屋へ揃って入ると、中は10畳2間に、リビングと風呂はシャワーのみとトイレと、洗面所だけのシンプルな建物にした。
「ルーク?ここは?なんだ?」
「え?ああ、使用人が暮らす部屋を、創造したらこんな感じになりました。中々狭くて良いでしょ?今まで贅沢をしてきたのだから、少しはこんな狭い空間で、反省して貰おうと思いましてね?」
入口は、内側からは鍵が掛からない様に外鍵にしてあるので中からは一歩も外に出れません。と、説明する。
「そうか?もう少し狭くても良かった気も……?」
と、言うが……兄?これより狭く造るなら、いっそ牢屋造りますかね………になるぞ?
ああ、でも?ちゃんとそういう施設も造らないとね……後で三人で相談かな?
さて、あの二人を移しましょうかね?
兄は、建物の興味も失せた様なので三人で外に出ると、兄に屋敷までの土地を全部整地だけすると告げて実行する。
「兄上?この建物の外をすべて平地に整地して、仕舞いましょうかね?」
マップを見ながら、図面を引いた地図を思い出して今立っている建物以外の場所を平地に変える。
今立つ場所の建物と、屋敷の周辺の建物しか目立つ建物が失くなったので、見通しが良くなったが………これは今日だけで、明日以降は建物が建つ予定だ。
但し、必要な樹木は伐採していない。
「おお!広いですね?なんと見晴らしのいいこと………」
「全くだね?ルークこれから、この辺りに壁が建つのか?」
「そうですね、あの建物の外側に広範囲の壁を作ります。そして、あの古い屋敷を建て直して城にします。その回りをまた壁と堀が囲みます。そして、この今立っている場所を、畑や騎士達の訓練所と、兵舎に更に使用人の寮と影達の寮を作ります。
そして、この後ろからが民達が暮らす場所になって行きますよ?楽しみですね?ああ、私の屋敷も改めて造らせて下さいね?気ままに冒険者ができるように?」
「は?ルーは城で私達と暮らすんだよ?屋敷は要らんぞ!」
「何言ってますか?兄上?私とは住む場所は分けないと?」
そのうち公国に成るなら、父に頼んで叙勲でもして貰って、領地でも任せて貰えれば良いなと?
考えてるのだが………?
「ルー、お前…………そのうち爵位と領地でも貰って独立とか考えてるだろ?」
「は?何故それを?」
「分からない筈ないだろ?お前また家族から離れるのか?」
「ですが………母親と言われる者は、ああですし?私が絡むと…どうもトラブルが?それに、良い機会では?奴らの事が片付いて、国が安定したら独立したいと考えてますよ?」
「はぁ………お前は……」
「その内に、伯父上や親戚縁者がここを盛り立てますよね?そこに私の場所はありませんて!」
笑って、自分の場所はないでしょう?
と、兄に言う。
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