第101話 使用人達の不服。
「そ、そんなエルク!私にそんな冷たいことを言うの。ルークは?私を許してくれるわよね?ご免なさい!ここまで愚かな娘だとは、思わなかったよの?サリーご免なさいね?」
「ですが、ねぇ……?母上、これは…度が過ぎませんか?」
「ルーク!エルク!ガウル!お願いよ。私はもう、実家に帰っても居場所がないのよ?」
「それはなんとも、父上にお任せしますよ?私は知りませんよ?」
「あぁ、私も同じですからね?知りませんよ?あ!ルーク!新しい屋敷には、私の部屋は勿論あるだろ?」
おや?何だか話が飛んだぞ。
…どうしたよ兄?
「はぁ?そんな部屋は、ないですよエル兄上。兄上はここが本邸なんですから!ここに住んで下さいね?」
「そんな、冷たい事を言うのか?お前は!」
「いや、だって兄上?父上もいらっしゃる事ですし。……本邸ですよ?この屋敷は!兄上がこのマクウェル家の後を、継ぐんですから。屋敷は父上と兄上が管理してください!」
「それはそうだが……、私はお前と一緒の方が楽しいぞ?(破天荒で、なにかをする奴だぞ。こんな弟を見て、楽しむ事が出来るのは俺だけだ!)フフフ」
な、なんか笑ってねえか、何で?
今、何を考えた?
「ぞ!じゃないですよ?それに、元々この屋敷で働いてくれていた使用人達から、王都から来た使用人達との相性が合わないから。なんとか俺の屋敷に移れないかと、相談されたので。そのご相談も、したかったのですが?」
「な、何と?ルーク?それは誰から聞いたのだ?」
「ゼスタ料理長ですよ、……向こうの(王都)屋敷の料理長とは、相性が合わないからと言って来ましたよ?どうやらハウスメイド達も同じの様ですね?」
「そうか………フォルクス!お前は知って居たのか?」
「い、いえ……申し訳御座いません。執事同士は問題がなかったので、メイドから下の使用人達からはまだなにも………」
「ルイスは?知ってるのか?」
「いえ、私はエルク様の専属ですので、フォルクス様と同様に情報は得て居りませんでしたが。……申し訳ございません。エルク様」
そうか……俺の場合は、ゼスタが俺に心酔してるって言うのもあるから、情報は入り安いだけの話しだが……。
それに、俺は王都組の使用人とはあまり面識ないんだよなぁ………。
「分かった、フォルクス!お前が仕切って王都組の中で、領地の使用人組と反りが合わずに、不服を申す者は王都に返す。直ぐに調べろ!」
「承知、致しました」
「ルーク悪いが転移問を2~3日中に開いてくれ」
「分かりました」
おお、珍しく迅速だね?どうしたよ父?
だけど……母はどうすんのかね?
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