第98話 母の暴走。貴女もですか? 2

俺の専属のメイドが、謹慎中の妹の世話をさせられて居ると聞いた父が、母に対して怒り出した。


「どういう、つもりだリエル?」

「どうと申されましても、ローズの専属メイドは。解雇してしまったでしょ?」


 右手で、頬を触りながら面倒そうに答える。

 なんだろうか、この母の仕草や言葉が毎回堪に触るのは?


「だからと言って、何故ルークのメイドを?」

「だって!年が近いのは、あの娘しか居なかったのよ?ナタリにも話したわよ?」

「ナタリは使用人だ、お前に言われたら逆らえぬのが、分からぬお前ではないだろ?」

「ですが貴方………。あの娘、可哀想なのよ?」


 あ、これ……俺の怒ってるピントが母に合ってないなこれは………。


「父上?先日私は、妹の嫁ぎ先が決まったと聞きましたが?」


 違いましたかね?


「いや合ってるよ……だが、まだ先の話しでな?」

「だったら、修道院に預けて下さいよ?私も、使用人を蔑む人間とは一緒に暮らせない」

「エル兄!それなら、隣の領地に厳しい修道院があるって聞くぜ?あそこなら、あの馬鹿娘の性根が直るんじゃね?」


 ラインが、珍しくまともな事を言ってるよ?

 明日は雨か?ハハハ。


「それでは……サリーを一度、戻した方が良いですね?なんとなく、胸騒ぎがするのですよ。フォルクス!ルイス!サリーを探して連れて来てくれ!」

「「承知しました」」


 エル兄上の命で二人がサロンから出ていった。


 フォルクス達がサリーを見つけて、連れて来る間に母には少し反省して貰おうかね。


「母上?」

「何かしら?ルーク」

「サリーは?何時から妹の身の回りの、世話をしてるのですかね?」

「よ、4日に成るかしら………?」

「リエルお前……どうしてしまったのだ?」

「え?別に何が悪いの?使用人の配置替えで、何故こんなに揉めるの?かしら?」


 まったく、理解が出来ないわ?というが…分かるよな?あれ…普通分かるよな?


「母上?それ、本気で言ってますか?」

「エルクまで、どうしたの?」

「でしたら、聞きますが。父上が、母上に黙ってナタリを私の専属メイドに、配置を替えたら、どう思いますか?」

「それは怒るわよ?ナタリは、私の専属のメイド………だもの………?」


 あれ?それは分かるのか思考が壊れてる?


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