第97話 母の暴走。貴女もですか? 1

 ゼスタとの話が終わり、俺は本邸のサロンに顔を出す。

すると父上、母上、それにエルク兄上にカミル兄様達がお茶をしていた。


「おはようございます。皆さんお揃いで?お茶ですか?」

「あぁ。おはよう?ルーク、どうしたんだい?」

「カミル兄様、おはようございます。えぇ、少し……お話が!ありましてね?母上とね?」


 ニコリと笑って母を見る。

 どうやら、カミル兄様は俺の殺気を察知したのかその場から席を立とうとする。


「叔母上と、話しかい?なら、私とラインは遠慮……」

「いえ、居てくれても構いませんよ?そんな、秘匿する程の話ではないので?ねぇ母上?」

「あら…ルーク、私と話かしら?」


 惚けるのか……厄介だなぁ…早々にゲロってくれた方が落なのだがなぁ。


「ええ、それと父上にもね?」

「何だ?ルーク?何かあったのか?」

「ええ、少し確認したい事がありましてね?」

「ルー!それよりも!私に何か話しはないかい?」

「えっ、エル兄上にですか?」

「あぁ、私に黙ってあんな!屋敷を建てて!」


 今それを言われても…後で説明しますから!


「えっ?兄上に了解を貰わないと、いけないことですか?父上には、ちゃんと許可を貰いましたよ?」

「そ、そうではない!」

「あんな!楽しそうな事を黙ってやるなよ!やるなら私も混ぜろ!」


 ほっ!何だ……のけ者にされたのが寂しかったのか?


「ハハハ、それは。申し訳ありませんでしたね兄上。この話が終わったら是非、遊びに来てください?カミル兄様も一緒に?」

「おや?私も良いのかい?」

「ええ、是非!まだメイドが居りませんがね?」

 お、上手くメイドの話しになったな。

 よしよし、このままの流れで母上に確認だな。


「ルー?メイドならいるだろう。サリーはどうしたんだい?」

「サリーのことは、母上が御存じですよ?ねぇ母上?」


 そう言って、母を睨み付ける。


「ひっ!ル、ルーク。何で私が知ってるのかしら?」

「おや?惚けるのですか母上。父上は、知ってましたか?」

「なにがだね?」

「サリー、私の専属メイドがいま、妹の身の回りの世話をさせられている。と言うことを!」

「は?い、嫌……聞いておらんよ?リエルそうなのか?」

「えっ?えぇ………」


 返事濁らせて、母は父と俺から顔を逸らす。


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