第96話 ルークと料理長とサリー。
「どうしたよ?ゼスタ…言い辛い?」
「そ、そうですねぇ~。実は……王都の料理人とメイド達は、向こうで雇われた者達が多いんですよ。ですんで………領地でこの屋敷を切り盛りしてきた者達は、今は本邸に居づらい感じてす。…本邸に居た使用人達全員は、こちらに移してやりたいです」
使用人達って、全員の父上の雇用だったよな?
何で揉めてる…嫌、揉めてはないのか?
「はぁ?何だそれは。じゃあ、王都組の使用人が本邸で、大腕振ってるのか?セバ!お前は知ってたか?」
「え?私ですか?すみません、私はルーク様のお付きですから………。それ程詳しくは……メイドのサリーの、方が詳しいのではないかと……」
「そうか………サリーは?今何処に?」
「あの子は今は、本邸のローズ様のお世話に………」
「はい?今なんて?」
「奥様に頼まれて、ローズ様のお世話をしております」
「セバ?」
俺はそんな話しは聞いてないぞ?
「ルーク様。私も、知りませんよ?そんな話しは、誰からもされておりません」
「何で?ゼスタが知ってるのに?」
「ですが……サリーとはここ何日か、顔を会わせて居りませんでしたので………」
あぁ、俺が色々セバに用事を言い付けてあったしなぁ~!元凶は母上か……。
「分かった………!二人に聞いてくるよ……」
「申し訳ございません。ルーク様……」
「仕方ないよ、セバスは俺の専属だしな。なら、ゼスタ……仕方ないから、王都組の使用人以外でこっちに……。嫌、来たい奴らに声掛けて移って来い」
「ほ、本当に?それは。奴等が喜びます!あいつら坊っちゃん贔屓ですからね!」
「セバ、取り敢えずゼスタを案内してやれ。俺は本邸に行って、母上にちゃんと話を聞いてくる!」
若干、冷気を駄々漏れさせてセバに用事を頼む。
すると、珍しくセバスが引き気味で返事をする。
「し、承知致しました。では、ゼスタ行きましょう。案内します」
「お、おう。セバス頼む………」
ゼスタが、返事をするとセバスと二人で食堂を出ていく。
さて、俺は本邸だな………。
ちゃんと、話を聞かないとね……フフフ!
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