第95話 ルークと料理長

 屋敷を建てた翌日の朝、俺は(毎朝恒例の)セバに叩き起こされて厨房で朝食の準備中…。


「あ~眠い…………」


 と、言いながら食堂で座る奴らの分のハムエッグを作るルークである。


「ん~これは………面倒臭いなぁ~」


 愚痴りながら、朝食の準備をしていると厨房が突然騒がしくなる。

 バタバタと、誰かの足音がすると突然扉が「バーン」と開くと同時に、見覚えがある人物が俺に詰め寄ってきた。うん……デジャブ!


「ルーク坊っちゃん!俺に黙って!こんな立派な屋敷を建てて!料理人を別に雇うだと!」


 朝から、なに訳のわからん事をいってんだ?言ってる意味がいまいちわからん………。

 第一屋敷を建てるのに何故?ゼスタの断りを入れないといけないんだ?お前は、父上に雇われてる料理人だろうが!


「ゼスタ喧しい!少し落ち着けよ、玉子が焦げる。文句は後で聞くから、手が空いてるなら手伝え!飯作るのは面倒なんだよ!」


 全く………20人近い人数の飯作るのは骨が折れる………。


「わ、分かりました!早速!」


 そう言終わる前にはもうゼスタが料理をし始める。

 まぁ、助かる助っ人だな!目が輝いてるぞ?でも、悪いね?ゼスタ………助かったよ。


 そして、全員の食事が終わるとそのまま食堂にセバスと残る。

 別に、サロンでも良いのだが………なんとなく?

 食堂でゼスタと、茶を飲みながら話し始める。


「朝食の支度、助かったよ?ゼスタ、サンキューな?」

「いえ!坊っちゃんとの長い付き合いですから……。俺の方こそ、失礼を………」

「で?」

「は、はい!」

「ゼスタ?ここで料理人したいの?」

「は、はい!絶対に、ここで坊うのお世話をしたいです」

「お世話って………ゼスタ?俺はもう子供じゃないぜ?天敵も居なくなったしな!」

「だからと言って、俺は………長年あの屋敷で、坊っちゃん達の食事を出して来てんです!それに王都組の料理長とも余り……」


 ああ!そうか、料理長今二人居るんだったか……?

 これは………ゼスタ引き取っても、問題ないのか?


「分かった、父上に話してみる。使用人が入る部屋は2階だからセバと行って決めて移って良いぞ」

「ほ、本当ですかい?坊っちゃん!」

「あぁ、俺としても助かるしな?ただ下働きは?どうする?」

「実は…………」


 と、言い憎そうにするゼスタ………。

 何だ?珍しく歯切れが悪いね?

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