第94話 珈琲くれ

「またせたな?」


 と、言って会議室に入る。


「そう待っては居りませんよ?ルーク様」

「そうそう!」

「それで?ルーク様。ご用は何ですか?」

「まぁ、用は無いがな………えっと今不在なのは……誰だったか?」

「バルカンですよ?」

「ああ、そうだったな………バルカンには後で連絡してくれ」

「承知しました。後で連絡しておきます」

「でだ、だいだい屋敷の部屋の配置は覚えたか?」

「はい、我らが使う場所は簡単ですからね」


 覚えましたよ!と、言う影達だ。


「明日から地下の、訓練所は使ってくれ」

「分かりました」

「でだが………暫く使用人が不在だ。各自自分の事は自分でやってくれ、食事なんだが。まぁ、暫くは俺が用意するか、各自で取るかどちらかにしてくれ。あと、風呂場は屋敷の1階の使用人の方を使えよ」

「あの~?ルーク様?」

「なんだ、マーキュリー?」

「あたしらは?」

「風呂場は、男女に別れてるからな?気兼ね無く使えよ?」

「有り難う御座います」

「あとは、謹慎組はそのまま謹慎だが。訓練所は使って良いぞ?」

「分かりました…………」

「ルークさまぁ~。僕らいつまで謹慎なの?」

「兄上の影達と合流して、訓練が終わったら謹慎は解くぞ?」

「「「「「………」」」」それはいつに?」

「その内だ!楽しみにしてろよ?」

「たのしくない!」

「さて、これで話しは終わりだ。部屋に戻っていいぞ?各自引っ越ししてくれ」

「了解です!」


 影達が部屋から退出していく。

 ふぅ~疲れたな………。


 会議室にそのまま残り椅子にもたれる。


「お疲れさまでした」

「あぁ、セバか…………疲れた」

「そう思いまして、こちらをどうぞ?」


 コトリと、グラスを置く。


「ん?これは…酒か?」


 置かれたグラスを手に取る。


「ええ、お疲れのようですからね?お食事はどうされますか?」

「あぁ~未だ、それがあったなぁ~」


 正直今は動きたくない………。

 しかし、使用人が居ない今俺が動かないと………ウオル達が騒ぐな。

 厄介だ!


「酒飲んだら、動くのが億劫になる。セバ、コーヒー頼むよ………」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る