第87話 解体作業……面倒だよ。

 俺が厨房を覗くと、丁度料理人達が忙しくしている。


「ああ、そろそろ夕食を出す時間か?そりゃあ~忙しいか?」


 だが………俺は料理長のゼスタを呼ぶ。


「ゼスタぁ~!忙しくしてるところ悪い!来てくれ!」


 するとバタバタと誰かが厨房を走る。

 危ねぇなぁ?滑るぞ!


「ぼ、坊!どうしましたか?」

「忙しいのに悪いな?ゼスタ……そんなに焦らなくて良いから、落ち着けよ?」

「は、はい!で?」

「ああ、良い肉が手に入ってな?解体を頼みたい」

「良い?肉ですかい」


 ゼスタの目が光る!さすが料理人だ。(笑)


「そうだ、これを……頼む……よ!っと」


 出したのはオーガ一体丸々だ!


「お、オーガ!こ、こりゃ~!今から捌く………かぁ?」


 バンバンと、オーガの体を叩く。


「坊が手を貸してくれるんですよね?じゃないと出来ませんぜ?先ず血抜きしねぇと……」


 と、言ってチラチラとおれを見る。

 ゼスタ…分かってる…だから見るな俺を。


「分かってるから、手伝うぞ?ゼスタ、解体場所は外か?」

「いや、奥の水場でしやす。ですので一旦仕舞って下さい」

「わかった!」


 そう言ってオーガを仕舞ってゼスタと水場迄歩く。


「坊!ここで出して下せえ!」

「ほれ」


 ドンと、オーガを出す。


「流石、坊ですねぇ~!傷が殆んどない!さて足を縛って逆さに吊るしますから手伝って下さい!」


 そしてオーガ吊るし捌いていく。


………………お仕事中……………………。



「よし!坊これで出来ましたよ!部位は色々と有りますが。まぁ、適当に持って行って下さい」

「有り難うゼスタ。これ、皆と食べてくれ。焼くなり揚げるなりしてな?」

「有り難うございます。では有りがたく」

「父上達はステーキが良いから出してやってくれ」

「畏まりました。では、戻ります」

「ああ、ゼスタ有り難う」


 そして捌いた肉を仕舞って離れに向かう。

 あ!もう一体有ったね………あれは……売るか!

 魔石欲しいけどなぁ。

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