閑話 ローズマリアとサクロス
ローズ編§
ある日の夕食の時間。
私の部屋へ、お母様付きのメイドのナタリが私を迎えに来たのです。
メイドが言うには、私の大好きなルーお兄様が、お仕事からお帰りになっていると言うのです。
「失礼致します。ローズマリア様、ルーク様が領地の御屋敷からお戻りでございます。そして奥様がご家族ご一緒に、お夕食をと申しております。お支度頂いても宜しいでしょうか?」
「まぁ、ルーお兄様が帰ってらしたのなら、お顔を見に行かないと!少しはお待ちになって?」
感動ですわ、ルー兄様がお夕食に誘ってくれたのですか?
なんて嬉しい事でしょうか!
ルー兄様が私をお夕食に誘ってくれるなんて!
(全てローズマリアの頭の中で、変換されてるのてすが。ルークはローズを誘ってなどない)
いそいそと、支度をしてマルレイと迎えに来たリタとマルレイの3人で、食堂に入っていくと家族全員が揃って居り、その中に居るルークを一早く見つけたローズがルークに話し掛けた。
「まぁ、ルー兄様。私幻を視ておりませんわよね?お兄様?お隣で一緒に、御食事しても宜しいでしょうか?」
と言って、ルーお兄様の側に行くと告げたのですが。何故かルー兄様に避けられました。
ですので仕方なくお母様のお隣に座ります。
「そう言えばローズ聞いたぞ?随分大変な思いをしたそうだが?大丈夫かい、サクロスは俺が預かる事にするよ」
ルー兄様がそう仰って下さいました。
私はその言葉に大喜びしたのですが…、つい口が滑ってしまった。
「まぁ、そうでしたの?それなら安心ですわぁ~。やはり殿方は、要らないですわ!怖いし、汗臭いのですものねぇマルレイ?」
私は、は!っとして、自分の口を手で隠しましたが………遅かったようです。
家族全員が、私を軽蔑したといってきます。
「ローズお前……まさか、わざとか!」
「エルお兄様!私はなにも……」
「お前まさか。男だから、使用人だからと言って、わざときつく当たったな?」
「………な、何の事でしょうか?(な、なんで分かるの?)」
思わず、知らない降りをして顔を背けてしまいました。
ですが……私は悪くないわ!
獣人なんて、やはり気持ちが悪いだけで、なんの役にも立たないのですもの!
すると、ルーお兄様から信じられない言葉を掛けられた。
「ローズ!!お前最低だな?見損なったよ。二度と私に話し掛けるなよ?」
「ルー兄様!私!そんなことで……」
「そんなことで?」
ルーお兄様が、聞き返してきたので『そんなこと』と言いましたが………。
その言葉がきっかけで、今まで静かだったお母様が怒りだしました。なぜ?
私は何も悪い事はしてないわ!
どうして、皆で私を責めるのかしら?
分からないわ!お父様助けて下さいませ?
そう思い、お父様のお顔を見れば…。
なんで、私から目を逸らすの?お父様!
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